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いらかの波 No.1174

2020年12月4日

澪標(みおつくし)。大阪市の市章のモチーフになっている航路標識。河川や水路の深みを「みお・みおすじ」とよぶが、澪標は水深の浅くなる境に立てられて座礁の危険を知らせる。水の都の歴史を象徴する市章どころか、大阪市そのものが無くなりそうだった「大阪市廃止・特別区設置住民投票」の話▼「僅差で否決」の新聞見出しや、ニューステロップに違和感。「公明党が賛成にまわれば大差で可決される」とさえ噂された中で、前回2015年の1万0741票差を超える1万7167票差で「大阪都構想NO」の審判が下った。この事実を的確に表す言葉は「僅差」なのか▼「大都市制度の議論に一石を投じた」と、菅首相。「松井市長との蜜月」とも紹介されたが、蜜月関係は現瞬間のプレイヤーにあらず、「小泉郵政『解散』」で劇場的に露になって以来の、新自由主義と利害一致する政治権力。大阪維新は恥ずかしげもなく「広域行政一元化条例」と言い出す始末だ▼「分断」の旗手に要警戒。新型ウイルス禍で暴風雨にさらされたような国民意識は、底層の地形を変えた。浅瀬の「澪標」(みおつくし)が、危機を察知せよと立つ。座礁寸前の国難に、「こちらは危険だ舵をきれ、今だ力を合わせろ」と。(巧)

【建築ニュース1174号(2020年12月1日付)】

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