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京都2陣訴訟11回期日/「生きたかっただろう」夫の思い法廷で語る

2019年2月20日

2月4日午後2時から、京都地裁で関西建設アスベスト京都2陣訴訟の第11回期日が開催され、遺族原告の森本さんと尾野さんが法廷に立ちました。
 101号法廷には多くの仲間が傍聴に駆けつけ、原告から語られる生前の仲間の姿や遺族が抱える無念の思いに、涙を浮かべて傍聴していました。

建材使用し、健康被害 現場に立てなくなった悲しみ深く

はじめに尋問に立ったのは故森本さん(大工・享年63)の妻の保恵さんです。
森本さんは2012年に肺腺がんと診断され、医師から余命3年と宣告されました。証言では余命宣告を受けてからの森本さんの姿について保恵さんから克明に語られ、夫婦の未来を奪われた悲しみが法廷を包みました。
「小さな坂道も登れない体になったことに夫は傷ついていました。仕事が好きで、愛していた現場仕事が病気によってできなくなった事実を、受け止めようと苦しんでいました。本当に悔しかっただろうと今でも胸がしめつけられる」と保恵さんは語り、アスベストによる健康被害の悲惨さを訴えかけました。
尋問の最後に保恵さんは「亡くなる直前まで『兄弟仲よくせぇよ』と家族のことを心配する、愛があふれる人でした。生前は現場を勇退したら私の生まれ故郷の丹後に移り住もうと話していました。もうそれも叶わない。こんな思いはもうしたくない」と震える声で訴えかけ、傍聴者も涙をぬぐっていました。

「自宅を完成させたい」/願い届かず無念の他界

次に尋問に立ったのは南支部の故尾野さん(大工・享年66)の妻の正子さんです。
2015年に体調を崩した尾野さん。肺がんのステージは4まで達し、すでに手術はできない状態でした。
正子さんは診断を受けたときの尾野さんのようすを「当時、自宅兼店舗の改装工事を自身の手で行っていたところで、完成させたいという思いは強かったと思います。入院中に私に、『お前の使う台所は自分が手がけたかった。こんなことになって申し訳ない』と謝っていました。本当に無念だったんだろうと思います」と語りました。
尋問終了後の報告集会では、全面勝利・全員救済へむけた全国統一署名のとりくみなどの行動提起が行われました。

【建築ニュース1138号(2019年3月1日付)】

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