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いらかの波 No.1235

2023年11月6日

長い夏が終わり、短い秋が足早に過ぎようとしている。しかし朝晩と日中の寒暖差はまだまだ厳しく、朝に着ていく作業服選びに頭を悩ましている。昔、祖母が「暑さ寒さも彼岸まで」と言っていた。子どもの頃は確かにそう感じていたが、現在では少し季節の様相も違うようだ▼秋といえば運動会が学校や地域、会社などで行われている。先日、4年ぶりに区民運動会が開催された。4年ぶりとあり体振役員をつとめる私は、半年前から準備のための会議などにかかわってきた。コロナ禍の影響で自粛期間が長く、何もできない状況の中で、寂しさを感じながらどこか楽を覚える自分がいた。開催されると決定し、集まりがふえていく中で最初はわずらわしく思ってしまった▼当日、グラウンドには大勢の人が集まっていた。小さな子どもからお年寄りまで競技を楽しんでいた。懐かしい人にも声をかけてもらい、「やってよかったね」と聞かされた時は、わずらわしく思ってしまった自分がいたたまれない気持ちだった▼確かに何もしないことは楽かもしれない。でもそれだと何も面白くないし、何も生まれない。少し重いかもしれないが、生きているということを実感させられた秋になった。(忠)

【建築ニュース1235号(2023年11月15日付)】

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