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【秋山健司弁護士】国政選挙制度を考える(番外編)/公正な選挙の実施の要請と実現

2026年6月5日

これまで、選挙区制や比例代表制等、選挙区の種類と代表制の関係を中心に選挙制度を考えてきました。
選挙区や代表制の仕組みがどのようなものであろうとも、国民主権のこの世の中で、一人ひとりの市民がその意思を国政に反映させるためには、自らが候補者となって当選するか、自らと同じ意思をもつ候補者を応援して当選させるか。このどちらかを選ばないといけないでしょう。
そして当選するため、当選させるため、選挙運動をしなければならないでしょう。候補者は、自らの政治的立場や信条が選挙人に十分に理解される必要があるし、その候補者を支援する市民もまた同様でしょう。選挙運動が旺盛に行われることによって選挙に関する必要な情報が豊富になり、公正な選挙の実現に資することになるでしょう。
そうであれば、選挙運動の自由はこの上なく保障される必要があります。憲法21条1項の表現の自由に含まれる自由ですが、とりわけその自由度は高く保障されるべきです。
しかし実際はどうでしょうか。京建労の皆さんも「選挙の時が来た。さあ頑張らなくては」と思うと同時に、「あれそういえば、自由法曹団が『選挙の活動するときは相談をして』といつもいってたな。自由にやると、なんか引っかかるんだっけ」と思われる方も多いのではないでしょうか。
確かに選挙は公正に行われるべきものであると思います。SNSを悪用してデマを流布して多くの選挙民の判断を誤らせる、お金の力を使って選挙民の自由な選択や判断を歪めさせるということは選挙の公正を害するものとして取り締まられるべきことには異論がありません。
選挙の公正を守るため、選挙運動の自由との調整が必要な場面はあると思います。ですが「公正の実現」に名を借りた、さまざまな思想信条をもつ市民の積極的な活動を徒に規制する制度がありはしないでしょうか。公職選挙法の中にそのような制度が多く存在します。
次回からは①選挙運動期間規制、②戸別訪問規制、③文書・図画の頒布・掲示規制、について順次見ていきたいと思います。ご期待ください。

【建築ニュース1289号(2026年6月15日付)】

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