2017年9月12日
共謀罪法が動き出した。国民一人ひとりのプライバシーは守られるのか▼共謀罪は国民の内心に踏み込む法律。「組織犯罪に対応する国際条約に加わるため」ということだが、その条約はマフィアなど、経済犯罪が対象でテロ対策の理由にはなっていない。しかも政府はとってつけたかのようにテロという言葉を恣意的に利用している▼組織犯罪集団が対象となる犯罪はなんと277の罪からなり、2人以上で計画するだけで処罰される。刑法上で殺人は実行した事実が原則論となっているが、共謀罪では簡単に処罰できるようになってしまう▼定義もあいまいで、計画とは何か、準備行為とは何か、2人以上で計画とは何をもって特定するのか。あまりにも広義であいまいな法律。国民にとっては「何がなんだかわからない」が本音だろう▼不祥事続きの内閣の中での強行採決も理解の範疇を超えている。一般人が標的になり、知らないうちに弾圧される。まるで暗いトンネルの中を歩いているようだ▼しかしいまは戦前とは違い、日本国憲法で私たちの権利が保障されている。地域や組合での活動を軸に、なんとしても「一億総監視社会」を押し返さねば。いまこそ「不撓不屈」、負けてはいけない。(粧)
【建築ニュース1107号(2017年9月01日付)】