2023年2月18日
2023年10月1日に導入予定の適格請求書制度(インボイス制度)に関して、本部や支部事務所に多数の質問が寄せられています。建設業界の構造自体が変化しかねない状況に、混乱の度合いは高まるばかりです。
号 京建労ではインボイス制度に関し、消費税の課税業者・免税業者問わず幅広い相談に対応しています。相談の多くは「一人親方」という働き方をしている仲間から寄せられています。
「一人親方」のほとんどは文字通り労働者を雇わず、手間請や単価請で、多くは売上高1000万円以下の消費税免税業者です。インボイス制度が導入されると、元請や上請は、下請である「一人親方」への請負代金に関して、インボイスが発行された請求書のみが消費税の課税仕入れ対象となるので、インボイス制度に登録していない下請への仕事の発注は、消費税の負担増となるわけです。
今、免税されている人がインボイス制度に登録すると、売り上げ1000万円以下であろうとも消費税課税業者として「自ら手をあげる」ことになり、消費税の申告が必要になります。
インボイス発行事業者への登録は強制ではありません。登録しなくても仕事を続けることは可能です。しかし収入面や上請との関係など、多角度で将来を見据えていくことが必要で、対応に関しては仕事の発注主との話し合いの場を持つことも重要です。
学習会や組合窓口での相談など、インボイス制度に関する疑問などを遠慮なくお寄せください。今までにも仲間からは制度導入を機に登録や値引きの強要、また外注業者への制度説明の難しさなど、さまざまな相談が寄せられています。一人ひとりに合った対応を一緒に考えましょう。
インボイス制度の導入反対とともに、大きな世論となっているのが岸田首相が打ち上げた「軍拡増税」です。1月23日に通常国会が開会。岸田首相は施政方針演説で「日本は歴史の分岐点にいる」と強調し、重要な政策課題の冒頭に「防衛力の抜本強化」を打ち出しました。
この大軍拡路線を「先送りできない課題」だとし、反撃能力の保有を専守防衛の枠内だと主張しています。これは日本が攻撃されてもいないのに、集団的自衛権の行使として、米国の戦争に参戦することをさし、日本を戦争する国へ変えようとしているのです。
また軍拡の財源として幅広い国民への「増税」で賄うことも視野に入れているのです。日本を軍拡路線へ向かわせることも当然ですが、その財源として私たちから取ろうとすることなど言語道断です。
インボイス制度中止とともに、軍拡増税反対の声を今こそあげるときです。4月9日には京都府議会議員選挙、京都市議会議員選挙があり、4月23日には向日市、京田辺市、木津川市の市長選挙、さらに宇治市、城陽市、京田辺市、八幡市、木津川市、福知山市、久御山町、和束町の議会議員選挙が行われます。コロナ禍でいのちや仕事を守る政治が行われたかを判断し、軍拡増税反対とインボイス中止に賛同する議員や首長の誕生を選挙に参加することで後押ししましょう。
【建築ニュース1219号(2023年3月1日付)】