2020年1月2日
編集部 それでは最後の話題に移りたいと思います。テーマはズバリ、みなさんと組合のこれから。まずは日々の組合の中で感じることはありますか。
中村 日々の組合ではないのですが、最初の京建労のイメージはあまりよくなくて(笑) 昔、河原町通り周辺で仕事をしているときに、京建労のデモ隊がコールをしながらやってきたんです、「仕事をよこせ」とみんなで叫びながらね。こっそり覗きながら「仕事は自分でつくるやろ」と冷ややかに眺めていました。
熊谷 今でこそコールが聞こえると「お、京建労かな」って思うけどね。
中村 そうそう。今見かけたら、こういう意味で言うてはんねんでと周りの人に伝えられますけどね。以前は組合のそういう活動があまり理解できなかった。でも感覚がかわったのは分会長になってさまざまな取り組みに参加し始めてからです。一番大きかったのは京建労の労働学校で歴史を学んだこと。さまざまな運動があって、いろんな人がいて、勝負してきた組合なんだなとわかった。単純に「京建労すげー」って思えたことでした。なるべく「京建労すげー」ってみんなに言ってるんですよ。
熊谷 先ほどもお話しした仲間ふやし月間の出陣式でも歴史を学びました。70年の歴史は伊達じゃないと感じますね。今に通じるところや変わらないところも多いですし、「昔はそんなんやったんか」と関心することもありました。
中村 そういう出会いというか、機会を生んでくれたのはやっぱり分会という場所があってこそなんですけどね。
編集部 分会というワードが再三登場していますが、分会視点での「組合のこれから」で感じておられることなどはありますか?
熊谷 分会の役をやっていると「組合からなんぼもらってるの?」とよく聞かれます。その担う役割の量から組合から「委託」や「仕事」として分会役員を請け負っていると思われている。笑い話のようで、笑えない話です。
中村 昔は思ってたし、言われたこともある(笑)
熊谷 中村くんも先ほど言っていましたが、分会長は1年での交代は正直しんどいというか、分会が育たないところがあると思います。思いや、やりたいことが実を結ぶのには1年以上かかるし、いっしょに支えてゆく仲間もそれでは増えないと思います。
中村 よく現場などの仲間内に聞こえてくるのが「班長だるい」。それを脱却したいと常に考えています。今まで、誰かのお陰で組合が回っていて、それが私たちの生活を支えてくれていた。その「誰かのお陰」って言うのを、自分も回す役割になって、初めて気付くことも多かった。仕事のつながりや地域のつながりの中で、同年代の仲間には「いっしょにやろうな」って引き込んで、理解を広げていきたいんです。自分も支えてもらったので。
編集部 それでは、今後京建労が大きく強い組合を目指すためにお2人が思う「京建労に必要なこと」は何だと思いますか?
中村 原則的ですけど、みんなで考えていく組織づくりが必要だと思います。意見がしっかり出る会議、出た意見をむげに扱わない組織が成長すると思います。まずは分会、支部からですよね。
熊谷 余談になるけど、京建労の定期大会はすごいんやで。中村くんにもぜひ参加してほしい。京建労で一番大きな会議が、最も民主的に規則にのっとって行われている。人数が多いド迫力と、多くの支部が発言の機会を求めて挙手する。その中で発言をしたこともあるけど、書記長が一つひとつの発言に対し、ちゃんと答弁をする。大きな組織なのにものすごく細部まで丁寧に行われている。初参加のときに、あらためて京建労すごいなと思ったよ。
中村 ぜひ行ってみたい。どうしたらいけるの?
熊谷 支部選出の代議員になったらね。もうひとつの魅力はさまざまな支部からめちゃめちゃタメになる発言が出ること。カテゴリごとの分科会もすごい参考になる。次世代運動なんかは大会の発言から、支部の垣根を越えた交流が始まったりなんかもあるよ。
中村 やるやん、京建労(笑) 「京建労に必要なこと」の続きでは、熊谷さんが言うように支部のボーダーをとった取り組みが必要かなと考えますね。分会活動交流集会や次世代合宿を経験して思いました。自分の経験は他の人に生きるし、他人の経験は自分の悩みの解決法になるかもしれない。そう感じました。
熊谷 分会などでさまざまなチャレンジが行われているので、そのチャレンジを相互の関係で応援できたらと思います。仲間が活躍できる間口を広げることで、先細りの組織を脱却したい。実際、あれだけの運動量で仲間ふやしをしても、年間で微増という結果。京建労全体の脱退数をみて、「これだけの出入りがあるのか」とぞっとするときがあります。
中村 辞めにくい組合作りもやっていかんと。人づくりせんとアカンね。
熊谷 そう人づくり。役員づくりしないと。「次世代づくり」始まってるで。
編集部 お2人には貴重な時間をいただきありがとうございました。また機会があればぜひ。
熊谷 ありがとうございました。
中村 ありがとうございました。
【建築ニュース1157号(2020年1月1日・15日合併号)】