2024年6月3日
ロシアによるウクライナ侵略、イスラエルのガザ住民虐殺など紛争が相次ぐ情勢のもと、世界を「敵」「味方」に分断するアメリカの戦略に組み込まれ、政府は防衛費倍増・大軍拡をすすめ、原資として大増税を狙っています。導入されたインボイス制度は、一人親方を中心に建設業者に深刻な打撃を与える上、「分断」を広げる最悪の増税策です。さらに、今年発生した能登半島地震では、被災者の多くが不十分な公的支援のせいで生活再建できず追い込まれています。国民の生活に目を向けず、「対立と分断」を持ち込む政治がすすむ裏で、自民党の金権腐敗体質が発覚し、政治革新を望む国民の声が高まっています。
一方で、今年2月の京都市長選挙では惜しくも市政刷新とはなりませんでしたが、私たちの要求である「まちの匠・ぷらす」制度が実現しました。「わがこと選挙」として奮闘した私たちの運動が、要求実現に結実したことに確信を深めましょう。
建設業界では、大阪万博工事の強行で人手不足が加速する中で、今年4月から時間外労働の上限規制が完全適用されました。法対応をすすめるとともに、CCUS技能者登録とレベル別判定の推進と合わせて、現場労働者の賃金行きわたりを主眼とした第三次「担い手三法」の活用で現場の賃金向上・処遇改善を実現させましょう。
建設アスベスト訴訟は、裁判所が和解勧試を行うなど、国・建材企業の責任による被害救済を求める趨勢が強まっているものの、建材企業は争う姿勢を崩していません。訴訟闘争と政治的運動で、建材企業を包囲する世論を強化する必要があります。
国保組合補助見直し、勤労者皆保険の実現による加入範囲の縮小、マイナンバーカードと保険証の一体化による保険者機能低下という「三つの危機」に直面しています。学習活動をすすめて、憲法25条の精神に基づく社会保障を実現させましょう。
今大会では、「対立」と「分断」を乗り越え「平和と連帯」の希望あるビジョンを示しながら、建設業界に横たわる課題を克服して「若者が育つ建設産業」の実現をめざすことが確認されました。そのためには、各分野の組合運動を強化しつつ、来るべき総選挙では市民と野党の共闘を後押しして政治革新をめざす運動が必要です。
私たちは今大会の方針に団結し、諸要求の前進と、運動の土台となる強く大きな組織の建設をめざし、4年ぶりとなる組合員増勢を勝ちとりましょう。
2024年5月26日
京建労 第72回定期大会
昨年10月、岸田政権は多くの国民の反対を押し切って、インボイス制度導入を強行しました。そのインボイス制度により、組合の仲間が消費税分を押し付けあい、「対立と分断」に悩み苦しむ中で発覚したのが、自民党の裏金事件です。この事件は、過去の特定の政治家と企業による金権腐敗事件と異なり、自民党の主要派閥がそろって政治資金収支報告書の偽造に手を染めていた組織的犯罪だと明らかになりました。
財界の求めに応じて消費税を導入し、増税を繰り返してきたこの35年間、徴収された539兆円に上る消費税は、大企業・大資産家減税の穴埋めに消えました。いま未曽有の物価高騰の中、苦しむ国民には事実上の増税を押し付け、自分たちは企業献金であるパーティー券収入を裏金にし、脱税して私利私欲のために使う。民主主義の基盤を揺るがし、国民の信頼を失墜させる政治に対して、国民の中に大きな怒りが広がっています。
大企業・大資産家のためではなく、私たち国民のための政治・税制に、抜本的に転換することが求められています。来るべき総選挙で全ての組合員に総決起をよびかけ、必ず自民党政治とその補完勢力に審判を下そうではありませんか。
右、決議する。
2024年5月26日
京建労 第72回定期大会
【建築ニュース1247号(2024年6月15日付)】