2023年4月19日
東日本大震災から12年が経ち、被災地である福島県から兵庫県に避難してきている方の話を聞く機会があったので参加した▼その方は現在、帰宅困難地域となっている浪江町の方だった。浪江町は3月31日に特定復興再生拠点区域の避難指示解除の地域となる関係で、帰宅困難者から帰らない人になるという▼これは日本が「復興に向けてこんなに頑張っている」と世界に発信するため、政府が東京オリンピック招致の時に決めたことだという。しかしこの地域で米を作ろうとすると、大量のカリウムを投入しなければならないそうで、カリウムが少ないとその代わりに土壌のセシウムを取り入れるからだ。こうしてできた米はカリウム過多の米となり、高齢者などの健康に影響を与えるそうだ▼そのような理由から所有を放棄された広大な土地に大資本が入り「水素ステーション」や「木材の加工工場」が建設されている。また無人航空機の離着陸場までできていると報告されていた。これは軍事にも利用できる施設ではないのか。政府は日本をどうしたいのだろう▼軍事費を拡大するのなら、その分を被災地がどうすれば健康にくらせる土地になるのか研究費に当てるべきではないのだろうか。(政)
【建築ニュース1223号(2023年5月1日付】