2022年5月7日
2016年4月、震度7を記録する地震が熊本県と大分県を中心に相次いで発生した。熊本地震だ▼京建労も隣接する福岡建労の力を借りて支援物資を届け、復旧作業にも参加した。熊本建労の本部事務所も大きな被害を受け、支部事務所を間借りして被害状況の把握に東奔西走していた▼GWが明けた5月半ばごろに熊本建労から封書が届いた。機関紙「熊建労」の定期発行便だった。本部事務所が使えていないと聞いていたので正直驚いた▼5月8日付の1面には「熊本地震には負けない、私たちには仲間がいる」と大見出しで書かれ、終面には訪問者が伝達を書けるようにとメモ欄が用意されていた。私はこの一紙で機関紙の本懐を知った思いだった▼「大変な時だからこそ機関紙を出すんだ」という熊本建労の気概があふれる紙面。この機関紙を携え、仲間が仲間のもとに訪問している姿が目に浮かんだ。自分が日々磨いている機関紙の技術は、仲間のいのちを救うことにつながるかもしれないと背筋が伸びる思いだった▼あれから6年、コロナ禍において京建労全20支部は、欠けることなく4年連続で定期発行を成し遂げている。当たり前と思われるその努力は、必ず仲間のいのちを支えている。(熟)
【建築ニュース1203号(2022年5月15日付)】