2021年4月19日
季節が来ると芽はほころび、草花は「ここに居るぞ」とばかりに背伸びをして自己主張を始める。やがて花は散り次の生への準備に入る。繰り返し培ってきた「生」への営みではあるが、コロナ禍のもと咲き誇る姿も、何故か寂しげに見える▼人生における晴れの儀式も自粛を余儀なくされ、人々は我慢を強いられている。コロナを終息させるため、政府は行政指針を示し協力するよう求めた。しかしその足元が揺らいでいる。国会議員や中央省庁官僚の、通達を無視した行動である。厳しい処分は当然ながら、今なにをすべきなのかをしっかりと反省し、コロナ終息に向けて手本を示すべきだ。感染防止をどうするのか示せなければ国民の支持は得られまい▼この先どうなるのか誰も分からない。しかし人類はさまざまな感染症とたたかってきた。その教訓を活かし、撲滅できるのか共存しなければならないのか、私たちの行動にかかっている。「感染しない、させない」ためにも、今なにをすべきなのか自覚が必要だ▼こんな状況の中、厚労省職員による多人数の会食が発覚した。しかも、飲食店への時短要請もなんのその、遅くまで行われたという。「言語道断」弁明の余地はない。頼むよ厚労大臣。(刈)
【建築ニュース1181号(2021年5月1日付)】