

2020年11月4日
菅新政権が発足して1ヵ月が過ぎた。支持率も高く私たちは何を期待したのだろう。「前政権を継承する」といった言葉を、どう受け止めたのだろうか▼メディアは「苦労人」「たたき上げ」と宣伝し、この人なら何かをやってくれると思わせたのかもしれない。携帯電話料金引き下げや「脱ハンコ主義」「デジタル化」「タテ割り行政の改革」など、政策の目玉なのだろう▼コロナ禍において経済活動も萎縮し、倒産に追い込まれた企業もある。労働者だけでなく、その家族も路頭に迷うことになる。さまざまな支援策があるが、「末端まで届いていない」と批判の声も多い。制度ばかりが先行し、欠点が露見した▼安倍前政権のもとで問題となった、「モリ、カケ、桜、検事総長任命」は負の遺産であり、不問に付すとするならこれぞまさしく安倍政権の継承なのだが、本当のところは人事に強権で介入し、意のままに政権運営をすすめる姿勢の方が危険だと思う▼日本学術会議の任命拒否問題で話題を提供し、いつの間にか「任命拒否問題」から、「同会のあり方について」へと話が変わっている。片方の話だけで判断をしてはいけない。今こそ正しい視点で政治を見よう。とんでもない間違いをしないためにも。(刈)
【建築ニュース1172号(2020年11月15日付)】