2024年4月16日
1月1日に発生した能登半島地震では震源地に近い石川県輪島市や志賀町では震度7を記録。七尾市や珠洲市、能登町なども震度6強を記録する大地震災害となりました。同地震によって石川県を中心に全壊家屋が7804棟、半壊は1万2799棟、一部損壊では5万7663棟と未曾有の被害となっています。多くの住民が住宅を追われ、いまだ避難所生活や自主避難生活を強いられています。
全建総連は能登半島地震における災害復旧支援「石川県での応急仮設木造住宅の建設」について、大規模な就労者確保の要請を全国の県連組合に行い、京建労からは4月中に組合員11人が就労を予定。すでに作業を開始している2人に現場のようすなどお話をうかがいました。
【舞鶴・野田さん】
私は輪島市里町にある「南志見多目的グラウンド」で4月3日から作業に従事しています。宿泊場所は七尾市の和倉温泉です。
朝食と夕食は自分で段取りする必要がありますが、お昼ごはんは弁当が支給されます。
作業は工程ごとに班分けされ、午後5時30分まで従事します。私は間柱や筋交い、金物を取り付ける作業班に配属され、他班とも連携しながら住宅建設を行っています。水分などは自分持ちですので、現場に向かう途中で購入しています。
この仮設住宅は被災者の生活基盤となる場所ですので、しっかり頑張ります。
【醍醐・駒井さん】
私は醍醐支部から「こういう作業があるけど参加しませんか」と声をかけてもらい、作業に参加しました。自身の技能を活かした復興支援とともに、消防団でも活動をしているので、防災の視点から被災地で学ぼうと思いました。
就労場所は野田さんと同じ「南志見多目的グラウンド」で、私は下地や外壁の杉板張りの班に組み込まれ作業をしています。
朝礼時には全国から駆け付けた技能者150人が作業へ向かう姿は圧巻です。
今は毎日が必死でいろんなものを見るということはできていませんが、現場へ向かう道中で見る、穴水町や輪島市の被災住宅は、いまだ地震発生当時のままです。支援はまだいきわたっていません。
【応急仮設木造住宅とは】
全建総連と全国工務店協会で設立した全国木造建設事業協会が、災害協定を結んでいる自治体からの要請に応じて建設する木造の仮設住宅。全建総連は労働者供給事業として大工職を組合員から募り、仮設住宅建設に従事。
【建築ニュース1244号(2024年5月1日付)】