2020年9月7日
アメリカは今から75年前、世界で初めて広島と長崎に核兵器を使用し、人々にこの上なく壊滅的な危害と苦しみをもたらした▼それまでにも多くの人々がくらす都市、町、村までもが爆弾や焼夷弾で焼け野原にされたが、核兵器はその比ではなかった。一瞬にして町が灰と化した。「核による人類滅亡までの『終末時計』」では今までの過去最短「残り時間100秒」にまできている▼世界の平和と繁栄を築いていくためには、この壊滅的で最強な核兵器を廃棄・廃絶しなければならない。被爆75年をむかえた日本だからこそ、核兵器の廃絶に向けて、被爆者の叫びを伝えて次の世代の人々に訴え続けることが必要不可欠だ▼世界に蔓延している新型コロナは人々が協力しあい、乗りこえようとしている。だが「核兵器の脅威」は人間が作り出したもの。いま世界にある大半の核兵器は、一触即発の臨戦態勢に入っている。地球上で保有する核兵器の90%をアメリカとロシアが保有し、そして日本はアメリカの「核の傘」にぶら下がりながら、核兵器禁止条約の批准書に背を向け続けている。核兵器保有国に対して、多国間の「核廃棄交渉をうながす」ことは被爆国である日本の責務だと私は思う。(清)
【建築ニュース1168号(2020年9月15日付)】