

2025年10月15日
10月7日ラボール京都で「アスベスト被害の根絶をめざす京都の会(アスベスト京都の会)」が第12回総会を開催し、建設だけではなくあらゆる分野のアスベスト被害について、意見交換やとりくみの進行状況の報告が行われました
開会にあたって会長の石原一彦さん(立命館大学特別任用教授)は「建設訴訟では最後の山場といえる企業との和解協議に入ったと聞きました。一方で現存する建物にはまだたくさんアスベストが含有されています。除去費用の問題など行政への働きかけなど引き続き努力するべき課題は多いので、これからもともにたたかっていきたいと思います」とあいさつで今後の課題にも触れました。
続いて行われた講演では、建設アスベスト訴訟全国連絡会事務局長の清水謙一さん(元全建総連書記次長)から、建設アスベスト訴訟で被告メーカーを和解に追い込んだ運動と今後の展望について、詳しく報告が行われました。(下記に詳細)
続いて大阪アスベスト対策センターの伊藤さんから、9月に韓国のソウル市で行われた「日韓アスベストセミナー」の報告と、日韓のアスベスト法制の違いなどについての解説が行われました。
事務局長の伊東純平常執から議案提案が行われ、建設以外にも対ユニチカ闘争や被害者掘りおこし活動、解体時における石綿飛散対策と行政交渉の重要性などを強調。今後も学者や労働、医療分野など各界が一丸となったアスベスト対策の重要性も語られ、次年度体制とともに全ての議案が承認されました。
【清水謙一・建設アスベスト訴訟全国連絡会事務局長】
建設アスベスト訴訟は現在、全国で3つの訴訟が被告である建材メーカーと和解し、被害者単位で424人が裁判を終了させました。和解が行われたのが東京1陣、東京2陣、大阪2・3陣です。
和解の前文では「関連訴訟においても早期解決に向けた真摯な努力をするよう強く期待する」という一文も追加され、本文では「責任が認められたメーカーは甚大な被害を生じさせたことに対し深くお詫びすること、和解金を支払わないメーカーにおいても流通させた事実から弔意とお見舞いの意思を表明すること」が記載されました。非常に大きな前進であります。
私たちも「あやまれ、つぐなえ、なくせアスベスト被害」を掲げてたたかって来たわけですから、有責無責問わず謝罪のない和解はあり得ません。支援団体も原告とともにそれを強く求めていく必要があります。
今後は屋外工と解体工、そして違法期間外の原告救済に全力を注いだ運動が重要になってきます。現在、違法としている期間は2004年9月30日までです。それ以降に入職した被害者を救済する、終期を外す働きかけが重要です。
給付金法の改正も含め私たちがやるべきことはまだたくさんあるのです。
【建築ニュース1276号(2025年11月1日付)】