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【秋山健司弁護士】国政選挙制度を考える(第6回)/上脇博之教授に学ぶ 議員定数削減と選挙制度

2026年9月2日

アクセルしかない高市政権がフル暴走した特別国会が終わり、秋の臨時国会が迫っています。
国旗損壊罪法制定、皇室典範改定、副首都法制定など、「国あっての民」至上主義や維新支持層などの一部の人々が歓喜する法律の制定にひたはしり、「民のくらし、えん罪被害者・戦争被害者はそっちのけ」の姿をさらした高市政権の支持率が低下しつつあるようです。
しかし私個人的に高市首相を見ていると、高市首相は「私は私。信じた道を行くのにブレはない」という、ある種の強い信念をもった方と感じます。今の程度の支持率低下では暴走を止める要素にはならないように思います。
そのため秋の臨時国会では、高市首相の盟友・維新と一緒に衆議院比例定数1割削減法案を本当に提出してくることを覚悟しておく必要がありそうです。
今回は6月5日に実施された、青年法律家協会京都支部学習会での神戸学院大学の上脇博之教授のお話のポイントをご紹介し、衆議院比例定数1割削減法とたたかう気持ちを喚起するお話ができればと考えています。
議席削減は多様な
民意の切り捨て
そもそも現行の衆議院小選挙区比例代表並立制には、
①多大な「死票」が発生し続け、有権者の投票意欲を減退させて投票率低下を招き続けている。
②得票率と議席占有率の著しい乖離を生み、少ない得票率でも過半数の議席が確保されてしまうという問題があり、「国会の中だけ多数派」「虚構の上げ底政権」を生み出し、民主主義の根幹を歪めていると上脇教授は指摘しました。
その上、さらに比例代表選出議席を削減してしまうと、これまで以上に多様な民意が切り捨てられてしまうと指摘しました。そもそも日本の国会議員数はOECD(経済協力開発機構)加盟国の中で4番目に少なく、イギリスの約4分の1で各国平均の半分以下なのです。比例定数1割削減はOECD加盟国の中で、有権者の声が最も届かない国政を招くと警鐘を鳴らしていました。
その上で最高法規である憲法の下、国民主権や議会制民主主義、投票価値の平等の要請を満たすのは、民意を正確に反映する「比例代表制」にほかならないと喝破しました。また政党無所属の候補者も立候補できる比例代表制にすればより多様な民意が国会に反映されます。
真の政治改革のためには、
①金で政治を動かせる、企業・団体献金および政治資金パーティー券の全面禁止。
②その党を支持していない有権者の税金をも原資とする政党交付金の廃止。
③小選挙区制を廃止し完全比例代表制への移行。以上が不可欠と上脇さんは語りました。
そしてこれらの改革なしに定数削減や改憲がすすめられれば、平和主義や福祉国家の理念が踏みにじられるとふたたび警鐘を鳴らしました。
比例定数削減案は
憲法違反の法案
上脇教授のお話を聞いた私は、日本国憲法43条1項「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」にある「全国民」の「代表」とは、多様な民意を公正に代表する者達であると解釈されるべきと考えます。
そうすると4割台の得票しかない候補者とその仲間達だけで国会の多数の議席を奪い、好き勝手するということは憲法違反であることになります。それを可能にしている現行の衆議院小選挙区比例代表並立制は憲法違反で、その弊害をさらにひどくする比例定数1割削減法案は更なる憲法違反な法案ということになると考えます。
皆さんご一緒に「比例定数削減反対、完全比例代表制実現」の声を、秋の臨時国会に向けて大きくあげていきましょう。

【建築ニュース1294号(2026年9月15日付)】

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