第47回住宅デー 6月9日(日)
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「住まいは人権」被災者に温もりあるくらしを提供する「応急仮設木造住宅」/仮設住宅従事者へQ&Aなど

2025年1月3日

 被災した石川県の方々の仮住まいとなる「応急仮設木造住宅」の建設には、京建労からもこれまで多くの仲間が参加しました。全建総連などが中心となって「被災者に木造の温もりを」と現在まで623戸の応急仮設木造住宅がつくられました。作業に参加した3人の仲間に仮設住宅の現場とはどのようなものなのか聞いてみました。ぜひ皆さんも仲間の声を参考に従事者登録をご検討ください。


今回、石川県での経験をうかがったのは岡田さん(奥丹後)、野田さん(舞鶴)、荒木さん(北)です。
 これまでに「応急仮設木造住宅建設」には参加されたことはありますか?
【岡田】私はこれまでに愛媛、長野、熊本に参加し、石川は4ヵ所目でした。
【野田】今回の能登半島地震での参加が初めてです。
【荒木】私も初めての参加です。
◆現地の作業について教えてください。
【岡田】仮設住宅なので、新築の家を建てることを考えたら簡単な大工作業です。
【野田】ただ大工職でないとわからないところがあります。一定の現場経験は必要です。
◆現地の活動で感じたことはありますか?
【野田】仕事の時のように競争ということではなくて、「被災者のために」と全国から集まった仲間なので、協力してつくりあげる雰囲気がありますね。
【岡田】全国から人が集まってきます。道具や現場の情報交換もできるのでとても有意義です。
◆現場で必要なものは?
【荒木】作業は現場で担当が決まりますので、組合から説明がある道具は必ず持っていく必要があります。3尺、6尺の脚立などもです。
【野田】熱中症や防寒などの対策は必須です。飲み物はフリードリンクでしたが、外気温に対する自己防衛は重要です。
◆宿から現場への往復になると思いますが注意する点は?
【岡田】私は何度か被災地を経験しているので、軽バンや軽トラックではなく「道具の積める乗用車」で参加しました。道が荒れているところも多いし、休憩も車内でできるので。
◆食事などはどうでしょうか?
【荒木】お昼は基本的に支給されるお弁当で、晩ご飯と朝食はコンビニでの購入です。野菜不足などにも陥るので、健康管理はしなければいけませんね。
◆宿泊所のようすは?
【荒木】基本は複数人の部屋で私は4人部屋でした。

京建労では災害時の応急仮設木造住宅建設に従事する仲間を募集中です。詳細は下記参照。


全木協京都府協会が仮設住宅実勢訓練行う/棟上げと界壁作業で経験積み上げ

 12月3日、伏見区竹田にある京都府立京都高等技術専門校内の全京都建築高等職業訓練校実習スペースで、応急仮設木造住宅実践訓練研修会が行われました。主催は一般社団法人全国木造建設事業協会(全木協)京都府協会で、京建労からは4人の仲間が研修を受講、他企業からのよびかけでも京建労組合員が数人参加していました。
今回は「界壁編」として開催され、実際に作業を行いながら実践的に学ぶことを目的として行われました。
はじめに京都府の建設交通部住宅課から山口さんがあいさつ。続いて講師から応急仮設木造住宅における界壁部分の解説が行われ、技能者たちは現場責任者の指示に従いながら棟上げを行い、ボード貼りなどの作業をすすめました。
参加した左京支部の松田一輝さんは「一般住宅との違いなど実地によって学べた。自分の技術が活かせるなら被災者支援のために応急仮設木造住宅建設にも参加したい」と感想を話してくれました。

就労には事前登録が必須/被災者支援に技術生かすチャンス

全木協による応急仮設木造住宅建設事業は、主幹事工務店と労働協約を結ぶ全建総連が、労働者を確保する「労働者供給事業」によって支えられています。
応急仮設木造住宅の建設には大勢の大工の働き手が必要になります。いつおこるかわからない大規模災害に備え、京建労ではあらかじめ応急仮設木造住宅建設に協力いただける組合員の登録を行っています。この機会に災害時に社会貢献できる、応急仮設木造住宅建設の労働者供給に登録しましょう。
なお登録には支部にある「労働者供給事業登録用紙」に名前や住所などの必要事項の記入が必須です。
労働者供給事業では、主幹事工務店に雇われて働くことになり、就労者は主幹事工務店と交わす就業規則を順守し、現場監督などの指揮命令に従って働かなければなりません。
京建労では就労を希望する組合員に向けて事前に行う「送り出し教育」への参加を義務付けています。
これまで携わった仲間たちの努力と成果を確信にして、被災地復興に技術を生かしましょう。

【建築ニュース1259号(2025年1月1日・15日付)】

 

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