いらかの波 No.1266
2025年5月7日
京建労YouTubeチャンネルには75周年事業の一環として、過去に撮影されたVHSや8ミリフィルムをデジタル化した映像作品を再編集して公開している。その名も「京建労デジタルアーカイブス」▼建築ニュース編集部が主だってデジタル化を行っている。ビデオデッキなどをパソコンにつなぎ、OBSというソフトを介してデジタル保存するという工程だ。倍速や3倍速で保存できるものではなく、録画にはテープの時間（標準なら2時間、3倍なら6時間）そのままがデジタル化に要する時間となる。キャプチャもないので、テープを物理的にもどす作業なので、それだけでも多くの時間を費やす▼最初はかったるい思いもしたが、回数を重ねる中で「ウィーン」や「ガチャ」という機械音とともに作業をするのが楽しくなってきた。「時短」や「タイパ」などが重視される時代だが、五感で歴史を感じながらゆるりと作業し、成果を積み重ねていくのが今の私にとって有意義な時間だった▼何かと最短距離での成功を求められる現代だが、人間は誰しも1倍速でしか生きていないわけで、急がず騒がず時間を受け止めることも人生のクオリティをあげる重要な要素だなと知れたひと時だった。（熟）
【建築ニュース1266号（2025年5月15日付）】
