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【対談】私たちが輝く未来とは/変わる価値観 京建労への期待

2023年1月3日

 前記のアンケートでもあるように、働く場所は違えども、共通する課題について話しあいをすすめ、改善を求める運動がいま必要とされています。今回は実際に現場で活躍する仲間から、抱えている課題や従事者が輝く未来について対談してもらいました。


 今回の対談は京都市南区の京建労会館を会場に、南支部の熊谷さん(エクステリア・個人事業主)と山科支部の秋間さん(内装仕上げ・個人事業所労働者)を招いて行いました。また秋間さんの事業主で父親の俊規さん、建設従事者の処遇改善の課題にとりくむ、賃金対策部担当副執行委員長の得居さん(石工)にも同席してもらいました。なお進行は得居副委員長が行いました。
個人事業主ならではの苦悩や、女性だからこそ思うことを率直に語ってくれました。

我慢が当たり前の環境/このままでは選ばれない

熊谷さん(南支部)

得居 今日はお忙しい中ありがとうございます。早速ですが現場のトイレの現状などを教えていただけたらと思います。
熊谷 私はベランダやエクステリアの施工をするのですが、1日のうちに数現場を回ることが多いので、移動中に公園などですますことがあります。コンビニはトイレだけ使うのは心苦しい思いもあるので。
秋間 トイレは女性の従事者にとってとても重要です。現場によっては女性専用がないところもあります。専用があっても鍵がしっかりかからないところや、不衛生なトイレも多いですね。
熊谷 20年ほど前は施主さんにお借りできたり、さほど困ることもなかったのですが、町場でも改修工事などの商業的価値が変化し、「商品を納品する」という感覚に変わりました。「トイレがあるだけマシな現場」と思わされるようになり、用を足すことや不潔さなど我慢が当たり前になっていますね。
秋間 私はゼネコンなどの野丁場にも従事するのですが、現場監督に女性もふえてきたのでデジタルロックがついているトイレなどが設置されているところもありました。ある現場ではマンションの一室を現場従事者が使えるトイレにしてくれた現場もありました。その現場では女性の技能者が監督に交渉して実現したそうです。そういう点では待っているだけではなくて、要求することの重要さは実感しています。
熊谷 アンケートでも不潔さなど声が出ていますが、半面、不潔にしているのは利用する私たちであるわけで、従事者側もみんなが使うからこそきれい使う心構えはいるかなと思います。やはり清潔な環境じゃないと、女性や若い人たちなど建設業に迎えたい人たちから選ばれなくなると思います。

求めれば現場は変わる/女性技能者の声集めたい

秋間さん(山科支部)

得居 トイレ以外にも皆さんの働く現場でおきている問題はありますか。
熊谷 私は個人事業主で一人親方なのですが、インボイス制度に関する問題が深刻ですね。消費税の相次ぐ増税と物価高、単価も上がりませんので厳しい壁が迫ってくる感覚です。私のように悩んでいる一人親方は現場で多くいると思います。実際、町場ではそういった層が主力として現場を支えていますから。
秋間 私は女性が一人前の技能者として認識されることの難しさを感じています。ある現場では女性に重いものを持たせない旨の念書を書かされている人がいました。男性に比べたら大きなものは持てないかもしれませんが、台車や器具を使ったりして皆、仕事をやり切っています。視点を仕事の仕上がりに向けてほしいと思います。
熊谷 確かに女性の従事者もふえてきて、ベテラン層も多様性に順応しなくてはと思いますね。私自身は今の若者に対応するように、5時までに仕事が終わり、土日休み、日当2万5000円。そんな産業にならなくてはと思っています。無理だ言ってしまえばもうそこまでです。条件のいい他産業にどんどん流出している現状を何とか変えないと。
秋間 自分たちが「こうしてほしい」ってちゃんと言わないと変わらないと思うんです。技能の世界は女性に向ていると思いますし、環境が整えば建設業の世界に飛び込んでくる女性もいると思います。そのためには「女性技能者の集まり」をつくって、「こうしてほしい」「こう思っている」という当事者の声を形にしたいですね。女性って集まると大きな力を生むんです。そういう点では京建労が力を発揮する時が来るのではないか思っています。
熊谷 それはいつもとりくんでいる署名とかと一緒ですね。ひとりの声では実現できないかもしれないけど、みんなの声となれば動かせるものもある。活躍に期待しています。
得居 おふたりともありがとうございました。声を上げることで現場は変えられる。2023年をそのスタート地点として頑張っていきましょう。

【建築ニュース1217号(2023年1月1日・15日付)】

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