第48回住宅デー 6月8日(日)
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アスベスト闘争

被告7社から1時間に及ぶ質問/アスベスト4陣訴訟で北村団長が証言

2025年11月5日

関西建設アスベスト京都訴訟は首都圏訴訟や大阪訴訟の和解を受け、新たな段階に入りつつあります。京都でも2陣は大阪高裁、3陣と4陣は京都地裁で審理がすすんでおり、和解へ向けた協議も並行して行われている訴訟もあります。原告は「全員救済」と「建材メーカーからの謝罪」を求めて現在もたたかい続けています。

10月17日、京都地方裁判所で建設アスベスト京都4陣訴訟の第5回期日が開催され、京都府内各地から90人の支援者が訴訟勝利を後押ししようと駆けつけました。
今回の期日で尋問に立ったのは、4陣原告団団長をつとめる北村さん(北)です。北村さんは大工や現場監督として建設現場で働き、京建労でも長らく本部副執行委員長として運動の先頭に立ってきた仲間です。建設アスベスト京都訴訟も1陣が提訴した2011年当時から、副委員長として支援者を代表してたかってきました。
北村さんは2021年にアスベストが起因の肺がんを発症。翌年には右肺の5分の2を切除する手術を受け、息苦しいなどの健康被害は今でも続いています。
原告側の尋問で大工時代の作業を問われた北村さんは「軒天工事ではケイカル板を屋外ではなく内部で切断していた。京都市内などの狭い現場では屋外で切断作業する場所を確保するのは極めて難しい。外壁工事も同じで、当時は丸太足場だったのでサイディングも屋内での切断だった」と、裁判長を見据えながらしっかりとこたえました。
企業側の反対尋問ではウベボード㈱、㈱エーアンドエーマテリアル、ケイミュー㈱、神島化学工業㈱、ニチアス㈱、㈱エム・エム・ケイ、パナソニック㈱の計7社が1時間以上にもわたる尋問を行いました。
ケイミュー㈱はサイディングの施工方法やサイディングの種類について細かく問う質問を行いました。北村さんは丁寧に当時の内容を語り、「自社製品ではない」と責任逃れをうかがわせる各社の質問にも、こと細かにこたえることで、被告建材メーカーの責任逃れを許しませんでした。
期日終了後は場所を鴨沂会館にうつし、報告集会が行われました。参加者は長時間に及ぶ尋問の労をねぎらうように北村さんに大きな拍手を送りました。
参加者から「責任逃れを狙う質問に、北村さんはピシャリとわかりやすくこたえてくれた。胸がすく思いだった」と感想が語られました。
また北村さんが所属する北支部の仲間からもエールが送られ、訴訟勝利へ向けた決意も語られました。


傍聴支援は原告に勇気と励みを与える

【北村4陣原告団長】
多くの仲間が支援に駆けつけてくれて本当に心強かったです。
副委員長時代に1陣の提訴にかかわり、傍聴席で支援をする側から、原告として証言台で皆さんを代表してたたかう立場に代わりました。尋問に立ち、多くの仲間が後ろで支えてくれていることが原告に勇気と励みを与えてくれていることをあらためて知りました。
アスベストはこれからも被害者を出し続ける災害です。組合としてもいっそうの団結をもって、被害者救済と制度拡充の運動が求められると思います。

【建築ニュース1277号(2025年11月15日付)】

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