第47回住宅デー 6月9日(日)
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アスベスト闘争

争い続く建設アスベスト訴訟/最高裁断罪後も謝罪しない企業を許すな

2025年2月4日

 1月17日、関西建設アスベスト京都訴訟の4陣3次提訴行動と、3陣第15回期日行動が行われました。2021年に最高裁判決が出され、国とアスベスト含有建材メーカーの責任が明確に断罪されました。これを受け、国は被害者・遺族に謝罪をして和解による解決をはかって、裁判をしなくても救済できるように給付金制度を設けました。しかし最高裁判決のあとも、被告企業は被害者・遺族との法廷での争いを全国で続けており、裁判によるたたかいは続いています。京建労は、原告団・弁護団とともに、裁判をしなくても被害者・原告を救済できる制度を求めて「企業も参加する救済制度を」と訴えています。原告の皆さんを「建設労働者の代表選手」として引き続き支援しましょう。

4陣3次訴訟

原告・家族や弁護団、京建労の仲間たちと支援の人々あわせて合計92人が京都地裁前に集合して行った宣伝行動のあと、この日に提訴を行う原告を先頭に裁判所へと向かいました。
3陣の期日を前に、4陣3次の訴状を提出し、裁判所内にある「司法記者室」で記者会見が開かれました。福山和人弁護団事務局長は「企業は莫大な利益をあげてきたいわば主犯」と、被告建材メーカーを厳しく批判しました。
4陣原告団長に就任した北村さん(北支部所属・元京建労副委員長。右下にインタビューを掲載)は「実効性のある制度で、すべての被害者が救済される制度と企業責任を認めさせることが強い思いです」と訴えました。この日参加した4陣3次提訴原告は北村さんと、仲野さん(西京)、岡田さん(醍醐)。それぞれ自身の病状などを各社記者に伝えて裁判に臨む思いを発言しました。
4陣の提訴は、これまでに4人(以下、すべて被害者単位)が済ませており、この度あわせて8人が原告となりました。
4陣提訴は現在も6人の方が準備段階で、春以降の提訴を予定しています。
今回の提訴で関西建設アスベスト京都訴訟原告団は85人(1陣25人・2陣30人・3陣16人・4陣提訴済み8人・4陣提訴準備中6人)となりました。

3陣15回期日

3陣訴訟としては15回目となる裁判期日が、101号法廷で開かれたこの日、京建労の仲間たちや支援の皆さんが、宣伝・入廷行動にひき続き、法廷での傍聴にも参加して傍聴席をいっぱいに埋めました。
裁判の冒頭に裁判長から被告側代理人(弁護士)が新幹線の遅延で到着していない旨が告げられ、1時間の休廷となるハプニンがありましたが、原告を応援するために傍聴席を埋めて再開を待ちました。

企業側は姑息なシェア逃れ

 予定した時刻を大幅に過ぎてから開くことになった報告集会は、場所を「こどもみらい館」に移して行われ、秋間俊規副委員長は「被告側の弁護士がゼネコンの責任だと主張し、怒りを感じました。本日で阪神・淡路大震災から30年、そのがれき撤去作業でもアスベスト被害者が出ています。これからも発症するすべてのアスベスト被害者のためにも一緒に声をあげてたたかっていきたい」とあいさつしました。
裁判の進捗状況などを解説する中で福山和人弁護団事務局長は、「被告企業側が『建材メーカーの出荷後には、2次メーカーが責任を負うべき。ゼネコンに出荷した後はゼネコンが責任を負えばよい』と責任逃れを主張しました。これは最高裁が一定の基準とした、企業責任を負う『シェア10%』を下回ろうとして、責任を切り分けようとする非常に姑息な狙い」と批判しました。
また、報告集会では、全国の建設アスベスト訴訟に大きな影響を与える可能性がある重要な動きとして、2024年12月26日に東京高裁が建材メーカーに対して和解案(被告企業が和解金を支払うことで解決をはかる案)を提示したことが紹介されました。
直近の京都訴訟日程としては、2月12日に4陣の第1回期日が開かれます。


原告の「死にきれない」の訴え胸に/4陣原告団長に北村さん

【北・北村さん】

 労働対策部の担当副委員長(元)として、裁判闘争をたたかい続けてきた私ですが、自分自身が原告になるとは夢にも思っていませんでした。
最高裁で断罪されて裁判勝利をし、長いたたかいや亡くなった原告の方々を思い出して感無量でした。裁判所で「このままでは死んでも死にきれない」と語る、今は亡き原告たちの姿が忘れることができません。
裁判の尋問に命がけで立つ原告の背中を、仲間に見ていただき、許せない企業の主張と合わせて感じて、このたたかいを支援していただきたいと願います。
仲間の中には最高裁の勝利判決で、たたかいが終ったと思った方もおられたかも分かりません。しかし、あれから4年。未だに企業は争いを続けて、命あるうちの解決を願う被害者を苦しめています。この建設労働者・職人のたたかいはまだ終わっていません。それどころか、これからも被害者はふえ続けることを思えば、まだまだこれからであり、今こそ正念場です。

【建築ニュース1260号(2025年2月1日・15日付)】

 

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