第47回住宅デー 6月9日(日)
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アスベスト闘争

3陣訴訟第10回期日に87人/「粉じん舞う屋内で切断作業した」

2024年3月5日

 関西建設アスベスト京都3陣訴訟の第10回期日が京都地方裁判所(中京区)で行われ、右京支部の本人原告である今江さん(元大工)に対する尋問が行われました。この日も各支部や京都総評、関連団体から多くの支援者が駆け付け、原告たちを激励しました。

小雨が降る中で府内各地から支援者が87人駆け付け、傍聴券を求めて長い列ができていました。
午後2時に開廷した第10回期日には、アスベストによる肺がんをり患した今江さんが証言台に立ち、自身の経歴や仕事の内容、アスベスト含有建材を使用した作業内容などを主尋問担当の大河原弁護士の質問に答える形で話しました。
中学を卒業後、職業訓練校を経て17歳から大工の道に入った今江さんは、75歳で引退するまで58年もの間、建設現場で技術をふるってきました。引退後すぐ右の肺に影が見つかり、精密検査の結果で肺がんだとわかり、切除手術を行いました。その後、肺がんの再発が見つかり、現在は経過観察中であり、右肺切除の影響で日常生活にも支障が出ていることも証言しました。
大河原弁護士から「建材メーカーに伝えたいことがあれば」と問われた今江さんは、「なぜ有害な製品を作り、現場に流通させたのか疑問に思う。私たち被害者に謝罪してほしい」と訴えました。
この日は㈱エーアンドエーマテリアルやニチアス㈱、ケイミュー㈱、パナソニック㈱、神島化学工業㈱、㈱エム・エム・ケイの計6社から反対尋問が今江さんに行われました。ケイミュー㈱の代理人はサイディング材の加工について「屋外で使う部材だから屋外で切断加工していたのでは」と質問。しかし今江さんはしっかりとした口調で「現場の足場やさまざまな都合で外部に使う材料でも、粉じんがもうもうと舞う屋内で加工していたことも少なくない」と返答しました。
期日終了後は場所をこどもみらい館に移して報告集会が行われました。
弁護団の福山事務局長からは進行協議の結果や2陣高裁の進捗状況などの報告が行われました。最後は全員で団結ガンバロウを行い閉会しました。

【建築ニュース1241号(2024年3月15日付)】

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