

2025年3月4日
2月12日、京都地裁で関西建設アスベスト京都4陣訴訟の第1回期日が行われ、京建労各支部や1陣や2陣、3陣の原告団、京都総評などから101人が支援行動に駆けつけました。
4陣訴訟は1月17日に第3次提訴が行われ、現在8人の原告で訴訟をたたかっています。また追加提訴に向けて準備中の被害者や遺族もいます。第1回目となる今期日では、原告側から意見陳述が行われました。
4陣では初めてとなる期日に多くの支援者が駆けつけ、今回も101号法廷の傍聴は抽選となりました。
今回の期日では原告側から意見陳述が行われ、弁護団を代表して石井弁護士と谷弁護士が訴状の要旨を報告。続いて原告を代表して岡島さん(右京・土工)がアスベスト被害によって奪われた未来について無念の思いを語りました。
石井弁護士が行った訴状の要旨報告では、当事者である建設従事者がアスベスト粉含有建材から粉じんを吸入し、肺がんや中皮腫など命にかかわる重大な疾患にかかったことで未来が奪われた事実が語られました。
石井弁護士は建材メーカーが有毒と知りながら故意にアスベスト含有建材を製造・流通させたことも指摘。「1971年には国の調査でアスベストの有害性は明らかになっているため、その段階で生産をやめていればこれほどの被害は出なかった」とその責任を厳しく追及しました。
原告を代表して意見陳述を行った岡島さんは、これまで自分が生きてきた経過や、建設従事者としてアスベスト建材の加工作業の詳細、そして悪性胸膜中皮腫となった現在の思いを裁判長に訴えかけました。
2023年に現病と診断された岡島さんは同年内に仕事も廃業。続けられなかった仕事に対し「このような病気にならなければ、今でも仕事はしていたでしょうし、老後に夢見ていた畑仕事や旅行などもできない体となってしまった。本当に悔しくてならない」と無念を語りました。
続けて「アスベストによってもうけをあげたはずの建材メーカーからは、私たちになんの補償もない。裁判所は建材メーカーの責任を認め、被害者に賠償と謝罪をする判断をしてほしい」と訴えかけました。
裁判終了後は京都弁護士会館で報告集会が行われ、今回の期日の解説とともに、解決に向けた今後の運動について行動提起が行われました。
弁護団を代表して福山和人弁護士が4陣訴訟の次回以降の展開を説明。第2回期日は4月18日に行われることもあわせて報告されました。福山弁護士は「この訴訟は社会的な反響と被害の拡大の結果、4陣原告もふえていく可能性がある。裁判所も和解の機会をうかがっていて、これからが解決への山場といえる」と話しました。
最後は建設アスベスト闘争勝利へ、団結ガンバロウを行い閉会しました。
【建築ニュース1262号(2025年3月15日付)】