2021年6月3日
5月17日、最高裁判所第一小法廷(深山卓也裁判長)は、全国でおこされている建設従事者のアスベスト健康被害に関する訴訟(建設アスベスト訴訟)のうち、東京と神奈川、京都、大阪の4つの訴訟に対して判決を出しました。
午後3時の開廷を前に、最高裁判所前には原告団や支援者、メディア関係者など大勢が集まり、その歴史的判断を待ちました。入廷前の集会では平山委員長が支援者代表としてマイクを持ち、「10年を超える長いたたかいに一つの区切りがつけられる歴史的な一日となります。この長い期間に多くの仲間が志半ばに倒れていきました。仲間の遺志を継ぎ、私たちはたたかってきました。被害者全員救済が私たち全員の願いです」と話し、原告を送り出しました。
開廷後しばらくして各訴訟の判決が出され、正門前で判決旗が各訴訟の弁護団によって出されました。京都訴訟が争っていた「屋外従事者」に関しては救済が認められない不当判決であることが、福山弁護団長から説明されました。なお東京や神奈川の首都圏訴訟では、一人親方救済や企業責任を認める、また高裁への差し戻しなど画期的な判決が出されました。
これをもって国の責任が上記4訴訟で確定(京都訴訟は1月29日に決定済み)し、判決の翌日には首相官邸で菅首相自ら4訴訟の原告団に「責任を痛感し、真摯に反省し、政府の代表として皆さんに心よりお詫び申し上げる」と直接謝罪を行いました。
京都訴訟からは義経若枝さん(遺族原告)が参加しました。
【建築ニュース1184号(2021年6月15日付)】