2023年1月3日
2023年10月1日に導入予定の適格請求書制度(インボイス制度)に関して、本部や支部事務所に多数の質問が寄せられています。建設業界の構造自体が変化しかねない状況に、混乱の度合いは高まるばかりです。
京建労ではインボイス制度対応に向けて、消費税の課税業者・免税業者問わず幅広い相談に対応しています。相談の多くは「一人親方」という働き方をしている仲間から寄せられています。
「一人親方」のほとんどは文字通り労働者を雇わず、手間請や単価請で、多くは売上高1000万円以下の消費税免税業者です。インボイス制度が導入されると、元請や上請は下請である「一人親方」への請負代金に関してインボイスが発行された請求書のみが、消費税の課税仕入れ対象となるので、インボイス制度に登録していない下請への仕事の発注は、消費税の負担増となるわけです。
今、免税されている人がインボイス制度に登録すると、売り上げ1000万円以下であろうとも消費税課税業者として「自ら手をあげる」ことになり、消費税の申告が必要になります。
インボイス発行事業者への登録は強制ではありません。登録しなくても仕事を続けることは可能です。しかし収入面や上請との関係など、多角度で将来を見据えていくことが必要で、対応に関しては仕事の発注主との話しあいの場を持つことも重要です。
学習会や組合窓口での相談など、インボイス制度に関する疑問などを遠慮なくお寄せください。今までにも仲間の中には制度導入を機に登録や値引きの強要、また外注業者への制度説明の難しさなど、さまざまな相談が寄せられています。一人ひとりにあった対応を一緒に考えましょう。
そして多くの業界で混乱と税負担の不安を招いている同制度の中止・廃止を求める運動への参加も皆さんによびかけています。
インボイス制度導入はコロナ禍で弱り切った経済に対して、さらなる大打撃を与えかねません。制度導入ではなく、「今こそ減税」を政府に求めていきましょう。
【建築ニュース1217号(2023年1月1日・15日付)】