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2019年関西地協大手企業交渉/実情訴え改善迫る従事者

2019年6月17日

 2019年度の関西地協大手企業交渉は6月10日現在で7社との交渉が終了し、㈱奥村組と㈱長谷工コーポレーションを残すだけとなりました。京建労から参加する仲間の中には、実際にその企業の現場に従事する仲間もいて、抱える悩みや課題を発言しています。5月・6月に行われた交渉の一部を紹介します。

従事者の視点で

6月4日に行われた㈱大林組との交渉では、吉岡委員長が交渉団団長、伊東常執が書記をつとめました。交渉団として西京支部の高森さんと青年部の日笠部長、本部の川西常執が参加し、その他の県連単組あわせて9人で交渉に臨みました。
大阪市にある㈱大林組大阪本店内の会議室で行われ、企業側からは工事や教育など各分野の担当者が交渉団を迎え入れました。
冒頭のあいさつで吉岡団長は「2018年との大きな違いはCCUSが本格稼働したこと。現場内での普及・進展状況などもあわせて議論できたら幸いだ。日建連の長期ビジョンでは技能者の年収を全産業平均並となる530万円をめざすとある。若者が育つ建設産業めざして、この場が有意義な話し合いの場になればと考えている」と語り交渉がスタートしました。
事前に関西地協より要望書を送付し、それに対しての回答が企業側より行われました。意見交換では高森さんより「駐車場問題をお話ししたい。京都市内の現場の場合、駐車場不足で業者どうしのとりあいになり、朝礼よりも2時間も早く来なければ押さえられない現場もある。これでは現場での拘束時間を短くしたい大手のみなさんの思いと逆行していると思うがいかがか」と質問がありました。
ゼネコン側からは「働き方改革が言われる中で、重要な案件だと思います。個別事例で検討し、環境改善へつとめていきたい」と返答がよせられました。

賃上げ対策とる

5月23日に行われた住友林業㈱住宅事業本部との交渉には、奥田副委員長を団長に京都や大阪、兵庫などから総勢7人が交渉に参加しました。
賃金単価について行われた質疑応答では、「単価が安いという理由で、急に現場から離れられるのが一番困ること。交渉していただければ単価アップなど対策をとらせていただく。賃金・単価に関しては、声を上げていただいてもいい」と個別交渉の可能性を示唆しました。
その他の項目に関しては「積水ハウスさんや、ダイワハウスさんが始めれば対応していく」との回答に終始するなど、技能従事者の処遇改善の必要性には理解は示すものの、「住友林業㈱が他社の先陣を切って対応する」という点には及び腰であることがうかがえました。
企業側担当者一人ひとりの意見では、技能従事者の低すぎる賃金や就労状況の劣悪さには、問題意識と危機感を持っている人もおり、今後の交渉で引き続き粘り強く訴えていく必要があります。

【建築ニュース1146号(2019年7月1日付)】

 

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