2018年4月16日
3月22日、青年部が京都市立洛西中学校にて、校舎の塗装ボランティアを行いました。このボランティアは青年部が描く「入職者対策」の一環として行われ、校舎の修繕と「仕事」についての学習を重ねたい中学校との思いが一致し、開催となりました。
当日は青年部から6人の仲間が参加。中学校からは生徒会役員と環境委員をつとめる1年生と2年生が参加し、塗装作業やグループワークを行いました。
この間、青年部は新規入職者が少ない現状を自分たちの手でも何とかしようと話し合いを続けてきました。青年仲間たちは入職者対策として「技能労働の楽しさ」「街をつくる誇り」をこれからの若者たちに伝えようと、修繕ボランティアの企画を立案し、各所で訴えを行ってきました。
訴えを耳にした洛西中学校の教員から塗装に関する修繕ボランティアの依頼があり、8ヵ月間の打合せののち、開催する運びとなりました。
打合せを重ねてきた教員の磯崎さんは修繕ボランティアに関して、「自分たちで学校を直すことで、学び舎への愛着もわきますし、プロの手ほどきを受けながら『仕事』を体験することは生徒たちの未来にとって、とても重要なことです」と学校にとっても生徒たちにとっても有用性のあるとりくみであることを語ってくれました。
また本番を前に養生やシーラーの塗布などを3月20日に行い、準備協力・研修として千葉土建青年部の仲間も作業に参加しました。
当日は塗装業の岡脇直矢書記長を中心に、生徒たちに塗装作業のやり方を指導しました。本格的な塗装作業はほとんどの生徒が初体験で、最初は恐る恐るローラーで塗っていたものの、次第に校舎が綺麗になっていくことを実感し、楽しげに作業をすすめていきました。
中には真剣な表情で細部まで丁寧に塗装する生徒の姿も。青年部の仲間も「養生しているからはみ出しても大丈夫だからね」と声をかけ、1本の廊下壁面を1時間足らずで仕上げました。
塗装作業の後は会場を移して「仕事」をテーマにした班に分かれてグループワークを行い、青年部の仲間たちも生徒の輪に入ってアドバイスを送りました。
グループワークでは「仕事と聞いて思い浮かべること」から始まり、生徒たちは「生活のため」「大変そう」「通勤が大変」など思いつくワードをあげていきます。次に「仕事のやりがい」について話し合い、「夢をかなえる」「人の役に立つ」「家族を支える」など意見を交わしていました。
青年部の仲間も「仕事は仲間がふえる」「仕事で培った技術で社会に貢献できる」など、やりがいについて前向きなアドバイスを行っていました。
グループワークの後は班ごとで発表を行いました。
中学生とともに「仕事」について行ったグループワークでは、「夢を追うことも仕事の醍醐味である」と青年部の仲間から強調されました。
中京支部の高井さんは「みんなはこれから自分のやりたいこと、叶えたい夢を見つけると思います。そのためにも仕事をがんばるというのは大切なキーワードとなります」と夢と仕事のつながりを話しました。
建設産業をもっといいものに
また青年部長の日笠さんは、「君たちには学生の間に何かに打ち込んで、『一生懸命がんばった』という体験をしてほしいです。その体験は必ず社会人になったときに、夢を実現する手助けをしてくれます。そして君たちが建設の仕事で夢を叶えたいと言ってくれるときのために、僕らは建設産業をもっといいものにしていくよう、努力していきたいと思っています」と生徒の前で約束しました。
職人さんたちカッコよかった
生徒たちは感想で「建設の仕事はいろんな人がいて、いろんな役割があるのに驚いた」「職人さんたちは、目立たないかもしれないけれど、とてもカッコよかった」「自分も職人さんたちのように、いい仕事と出会いたいと思った」と寄せてくれました。
最後に環境委員長をつとめる生徒が青年部へのお礼の言葉として、「職人の皆さんとお話しする中で、夢を追うことの大切さと、多くの人たちが見えないところで協力し合って、街がつくられていることを知りました。ありがとうございました」と話してくれました。
【建築ニュース1120号(2018年4月15日付)】