2020年8月4日
京都総評青年部は実際に最低賃金で生活体験を行う、「最賃生活やるってよ2020夏」を7月13日から1ヵ月にわたり実施中です。京建労青年部も岡脇部長を先頭に10人の仲間が企画に参加し、最低賃金水準の生活を体験中です。日々家計簿で生活にかかわる費用を細やかに記録する中で、他の労働者と建設従事者の違いや、最賃水準の生活を強いられている仲間の生活実態が明らかになってきました。
京建労青年部副部長で、京都総評青年部の副部長も兼任する深田さん(25)は、右京支部所属の建築大工です。京建労青年部も京都総評青年部も2020年から役員に就任し、もちろん「最低賃金体験」は初参加のとりくみです。
7月25日に行われた「中間報告会集会」では参加する仲間たちの感想に加え、夏場の建設従事者が置かれている実態をリアルに報告してくれました。
深田さんは「今回の企画は時給909円、月給では16万円弱の計算で生活していますが、僕たち建設青年の生活実態はまさにそんな感じです。給料が安いから休まず働かなければならない。建設の仕事はみんな嫌いじゃないから苦じゃないけど、ほかの労働者と比べると、『やっぱり俺たち安いよな』って再認識しました。最賃水準が身に染みて、自分への投資が誰もできていない」と仲間の声を代弁してくれました。
実際に折り返し地点で集約した参加者の支出割合を見ても、主食や外食など食費にかかわる部分の比率では全体の47%に対し、建設従事者は56%とその割合も大きく、嗜好品の中でも現場で飲む飲料水が多くを占めていました。また自動車関係や通信費が他の労働者より費用割合が大きく、嗜好品と同様に仕事にかかわるお金が生活費にまで食い込んでいることがよくわかります。
また教育費や娯楽費などは出費0円と自己への投資が極端に低いという生活実態も明らかになりました。
企画の折り返し地点を迎えた26日の段階で、京建労の仲間の平均的な執行金額は2万5000円で1日平均約1000円と、切り詰めた生活を送っており、休日などは多くの仲間が「外には出ない」生活で出費を抑えていました。
深田さんと同じく建築大工で本部副部長をつとめる宮津支部の上岡さん(33)も企画に参加中ですが、「もはや地域での格差はほとんどない」と語ります。
上岡さんは「今ではインターネットはスマホを介してどこでもでき、私も家族も買い物の多くはネット通販です。そういった意味では都市部と地方の違いはなくなったと思います」と、思いを語ってくれました。
京都総評青年部は8月29日にまとめ集会を開催予定で、数値をあらためて分析し、「最賃全国一律1500円」を求めて運動を強化していきます。
【建築ニュース1167号(2020年8月15日・9月1日付)】