

2025年2月17日
京建労では京都府内のさまざまな自治体と、現場従事者の処遇改善や地域建設業振興策、住宅関連政策など多岐にわたる内容について要請・懇談行動を行っています。2月4日には事前に送付した要請書(下記参照)にもとづき、京都市内支部の代表者と京都市との懇談が行われました。
今回交渉に参加したのは得居副委員長を団長に、山田副委員長や村瀬書記長などの本部役員と、京都中央支部、左京支部、山科支部、右京支部、伏見支部の代表者の計12人で、京都市からは行財政局や都市計画局、文化市民局から7人が参加しました。
まず京都市側が事前に送付していた要請書に対する回答を報告。その後それぞれの項目について懇談を行いました。
「現場労働者の処遇改善と若者の入職にむけて」の項目では、女性従事者のトイレ問題について組合から「京建労としてトイレに関する課題は『人権の問題』としてとらえている。発注側の京都市としても視点を持ってほしい」と訴え、京都市側も「女性が活躍できる社会をつくるうえでは重要な視点だと考えている」と回答しました。
また山科支部代表の大谷さんは組合員訪問で仲間から寄せられた声を紹介。「京都市発注工事で工期の遅れから、内装や設備工事が24時間体制となっている。安全面や経費面でのしわ寄せが従事者におよばないか仲間は危惧していた」と訴え、担当者も「危惧されていることがおこらないよう注視したい」と話しました。
「地域住民の安心・安全とそれを担う地域建設業の振興について」の項目では、京都中央支部代表の榊原さんは「まちの匠・ぷらす」支援事業について、施工者として市民から寄せられている声や、耐震と防火に優れた支援制度である同制度の拡充と延長を強く求めました。
災害時の対応では被災者の仮設住宅を「賃貸型」ととする市に対して、能登半島地震でも被災者生活を支えている「応急仮設木造住宅」の導入検討も強く求めました。
●現場労働者の処遇改善と若者の入職にむけて
①二次以下の下請業者に対して、すべての現場従事者の適正な賃金確保と、法定福利費など雇用に伴う必要な経費を含む、適正な積算と工期での発注を推進すること。
②公共工事における現場従事者への賃金支払い状況と法定福利費の確保状況、労働時間と休日確保の実態などについて、実態の把握と必要な対策、措置を講ずること。
③京都市公契約条例を改正し、設計労務単価を基準とした賃金支払いと適正な労働条件などの確保を下請を含むすべての事業者に義務付けること。
④入札・契約などについて、CCUSの利活用が評価や加点される施策を講ずること。
⑤国交省が公表した「CCUSレベル別年収」について、民間発注者や消費者、元請企業なども含めた周知を行うこと。
●地域住民の安心・安全とそれを担う地域建設業の振興について
①物価高騰の影響を受ける建設従事者に対する支援制度を創設拡充すること。
②住宅リフォームに対する助成制度を拡充すること。
③地元中小零細事業者が直接工事を受注できる小規模修繕工事登録制度を創設し、小規模業者の受注機会をふやすこと。
④大地震から住民の命を守る対策として、耐震改修工事に対する補助制度を拡充すること。「まちの匠・ぷらす」支援事業を継続すること。
⑤災害時の応急仮設木造住宅建設に実績ある「全国木造建設事業協会」と災害協定を締結すること。
⑥すべてのアスベスト含有建材の調査と除去費用について助成制度をつくること。
【建築ニュース1261号(2025年3月1日付)】