第47回住宅デー 6月9日(日)
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Web建築ニュース

いらかの波 No.1249

2024年7月3日

「人手不足の穴埋めで女性対策するのなら、それは意味がない施策だ」。ある女性技能者が全建総連の会議で発言した。渾身の訴えにも、男性中心の会場からはドッと笑いがおきた。その雰囲気に私は何ともいえない失望感に襲われた▼去る6月、全建総連・職業訓練校交流集会が広島県で開催された。全国で大工技能を学ぶ訓練生がつどい、「新規入職者を得るためには」というテーマで班討議が行われ、各班から産業の問題点と解決策が発表された。さまざまな点が指摘される中で、女性の活躍の必要性も語られた。冒頭部分はその発表の一幕▼私自身、書記局入局前は女性が9割以上の職場にいた。更衣室はおろかトイレも男性用がない世界だ。その中にあって男性というだけで会報に紹介されたり、褒められたりすることにどこか違和感があった。「性別ではなく、仕事内容で判断してほしい」。彼女の訴えに当時の思いがリンクした▼壇上で訴えた彼女は発言をこう結んだ。「技能の前では男女は平等。男性が足りないから女性で埋めるのではなく、誰でも活躍できる産業をめざす視点に立たないと未来はない」。問われる我々の姿勢。この声に笑いがおこるうちは、答えは未だ遥か向こう岸。(熟)

【建築ニュース1249号(2024年7月15日付)】

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