2023年12月6日
「巨大な清水寺の舞台に負けないくらいの体験ができる」のだそうですが、何をおっしゃっているのか、橋下徹さん。「清水の舞台」を例に挙げて、建設費が350億円に膨れ上がり、さすがに批判の声が大きくなっている「万博リング」工事を擁護した▼あなたは上がったことがあるのかな。仮にあるとしても、少なくとも我々京都人が、あの景色を見ながら京都の町並みを見渡して思いを馳せる心情とは、まるで違うものなのでしょうね。歴史や文化について、物差しすら持っていないのかと唖然とする▼橋下徹氏は、政界引退した今も「維新」の象徴的存在なのか、テレビ番組で「万博工事」への批判に対して擁護する。万博誘致を発表した大阪市長だったことを思えば当然の自己弁護か。「釘は使わない」との売り文句、その実ボルトで締め上げることは象徴的事象▼大型開発に湯水の如く巨費を投じて、福祉は切り捨てられる一方。明らかに必要な「改革」、問われているのはその方向性だ。税金の使われ方は、このままで良いのか。現在の政治体制・利権構造に限界がきているのではないかと問いかけたい。清水の舞台から飛び降りる勇気は不要だ。さて、石橋を叩いて渡る程の時間的猶予もなさそうだ。(巧)
【建築ニュース1237号(2023年12月15日付)】