2022年2月18日
この2年ほどの間に、新型コロナウイルスの感染が世界の人たちのくらしに暗い影を落とした。日本では2021年10月ごろに第5波が収束の兆しをみせはじめ、落ち着きつつあった▼しかし12月にオミクロン株が確認され、瞬く間に全世界へと感染が広がっていった。沖縄や山口にある米軍基地では、クラスター感染が発生。米兵や米軍属が基地の外にも感染を拡大させる事態となった。米軍の無責任な感染対策と日米地位協定がこの惨劇を巻きおこしたことは言うまでもない▼日本の国内では空港検疫の実施で水際対策が強化された中で、米軍は軍用機で米軍基地に直接入国させていた。米国ではすでにオミクロン株が大流行しているのに、訪日させる軍人や軍属のPCR検査もおろそかにして直接入国させ、感染が広がったとのことだ。日本の国内でありながら日本の法律が通じない。しかし日本人が被害を受ける。これが日米地位協定の本当の姿である▼明確に米軍から被害を受けているのに、何も言えない日本政府。本当に日本は主権国家なのかとため息が出る。世界の中でも異常といえる米軍への特権付与。私たちのくらしを守るために、米軍基地と日米地位協定は撤廃しなければいけない。(清)
【建築ニュース1198号(2022年3月1日付)】