2021年12月7日
自社の古着の修理や再利用にとりくむ環境配慮企業ともいわれる「パタゴニア」。元の持ち主のストーリーの分、古着は新品よりも価値が高いとさえいう。「株主は地球」と位置付ける企業▼自社ロゴを掲げ主張する「パタゴニア京都」のスタッフを見たのは2015年3月、雨の円山公園。「バイバイ原発きょうと」。子どもの頃からアウトドア志向の強い私は同社の公式ブログ「クリーネストライン」の読者でもあり、ファンとして嬉しく眺めた。パタゴニアは先の総選挙で「#だから選挙行かなきゃ」という活動にもとりくんだ▼解散総選挙から1ヵ月。私の知人の中に、私の支持政党に関して気にくわないらしく、「生き方が合わない」などと平気で公言する友人がいる。山登りが好きな彼と、魚釣りが好きな私が、どちらもパタゴニアの製品を身に着けているとご機嫌であるという事実は、支持政党よりもよほど二人の内面に共通点があることを表す▼迎える2022年、「違い」に思考停止することなく、一人でも多くの人との「共通点」を見つける新しい時代を過ごしたいと願う。そうして私は、あの憎ったらしい友人の胸にある、僕たちの大好きなロゴマークに目をやる度に、少しだけ微笑むのだ。(巧)
【建築ニュース1195号(2021年12月15日付)】