2020年3月16日
人間は常に新しい「もの」を探し求め続け、進化を続けてきた。その延長線に現在がある▼この半世紀余りの間を見てみても、経済成長とともに「いろいろなもの」が急激に発展して、夢のような生活ができているのは言うまでもない。自動車、電話、電動工具、インフラなどさまざまなものが超特急で進化を遂げている▼身近なものでは、命令するような口調で言い放った言葉に反応して返事がくる家電製品。持ち主の好みにあわせた番組を録画してくれるテレビ。ある鉄道会社の券売機では、現金の引き出しができて、カメラの機能で人を認識し記録ができるという▼アナログの時代には経験できなかったことが、人工知能のおかげで便利になり、世の中が目まぐるしく様変わりしてきたと思う。若者はそれらの機能を熟知し、使われるのではなくちゃんと「使っている」ことに心から感心する。しかしながらそのような機能を扱えない私たち熟年者はどのようにすればいいのか▼体力や頭脳は努力してもいずれ、いつかは老いゆく。新しい時代を目の当たりにして、ついていく厳しさを実感している。置いてけぼりにならないためには、やはり「死ぬまで勉強」が必要なのである。(清)
【建築ニュース1161号(2020年4月1日付)】