2021年2月3日
国連の「核兵器禁止条約」は批准国が2020年10月24日に50ヵ国に達して、90日後となる1月22日に発効されました。核兵器禁止条約の発効を歓迎するイベントが世界各地で開かれましたが、現在のコロナ禍において京都市内では円山公園内での集会と記念撮影となりました。
「おめでとう」「おめでとう」と、声をかけ合いながら、集合場所となった京都市東山区の円山公園に、長年核廃絶運動に関わってきた人々が集まりました。
日本で核廃絶の運動が高まったのは、1954年3月1日にアメリカが行った太平洋ビキニ環礁での水爆実験に対する反対行動が全国で同時多発的におこってからのことです。そして1955年に最初の「原水爆禁止世界大会」(以下、原水禁)が開催されました。
それ以前から「戦争絶対反対」などのスローガンを掲げ、「円山平和大会」に参加するなど、平和を求める活動に参加してきた京建労でも、核廃絶署名や原水禁大会・ビキニデーへの参加協力、平和行進などを通して長きにわたり活動してきた仲間と家族がたくさんいます。しかし、コロナ禍の折につき、発効日の集会への参加は本部から代表2人のみとなりました。
円山公園のしだれ桜前を集合場所とした同集会には、全体で約80人が集まりました。あいさつした広島原爆の被爆者・花垣ルミさんは「ありがとうございます。まだドアの入り口まで来たところ。でも、『入り口まで来たぞ』という思いです。まず日本国のドアを開けたいと思います。この条約を日本が先頭に立ってやってくれていたら、凄い歴史だったろうと思います。世界中のみなさんがたくさんの署名(ヒバクシャ署名は1370万2345人分にのぼる)をしてくださり感謝かんしゃです。まだ先があります。これからもご支援をお願いします。今日は本当に嬉しい」と話しました。
発言した人は何れも「日本の条約批准署名を」と強調。しかし現在は菅首相が参院本会議で「署名する考えはない」(21日)と答弁するなど、核兵器禁止条約に背を向け続けています。京建労でも引き続き、「唯一の戦争被爆国として日本政府も署名・批准を」と署名活動などを通して求めていきます。
また、条約への参加を訴える内容の国連決議には130ヵ国が賛成しており、「核なき世界の実現」をめざす方向は、世界的なスタンダードへと前進しました。
【建築ニュース1176号(2021年2月1日・15日付)】