2024年8月2日
関西建設アスベスト京都3陣訴訟の第12回期日が7月19日に京都地方裁判所101号法廷で行われ、京建労の各支部などから92人の支援者が駆け付けました。弁論終了後には弁護士会館で報告集会が行われ、担当弁護士による弁論の解説などが行われました。
当日は猛暑日の中でも多くの仲間が支援に駆け付けました。今回は訴訟代理人の谷弁護士が弁論に立ち、改修や解体工などに対するアスベスト被害に対して、製造や販売した企業の責任について、「警告義務があった」という趣旨の訴えを行いました。
この間の救済の対象から排除されている解体工について谷弁護士は弁論で「建物の解体工事では大量の石綿粉じんが発生するため、作業をする際、ばく露防止対策が必要となります。対策を行う際にはその建材に石綿が含有されているか知る必要があります。解体しようとする建材自体に石綿含有の表示(aマーク)があれば知ることができました」と石綿含有建材とばく露防止対策について解説を行いました。
続けて「建材企業が流通するにあたって建材に警告表示をきちんとしていれば、解体の場合でもばく露防止対策をとることができます。しかし建材企業は警告表示を怠ったわけで、解体従事者は建材が石綿含有か否かを的確に判断することができなかった」とばく露対策の出発点でもある、石綿含有表示を怠った企業側の責任を追及しました。
谷弁護士は弁論の最後に「最高裁は警告表示に関連して『加工等により記載は失われるかもしれない』といいますが、そのような事実はありませんし、加工を前提とした建材であれば、警告表示を多く記載するなど方法は多数あります。建材企業の警告義務違反は解体作業との関係でも認められるのです」と解体工に関しても救済の対象であることを強く訴えました。
弁論終了後は会場を弁護士会館に移し、報告集会が行われました。弁論の解説のほか、7月4日の2陣高裁訴訟期日の報告なども併せて行われました。
第12回期日に参加し、実際に解体工として長年現場で作業している竹田一矢さん(左京)にお話をうかがいました。
【竹田さん】
アスベスト訴訟の期日に何度か参加するたびに、「建材の記載が消えている」という話を聞きますが、私が日々働く現場では、昔の建材であっても表記が消えていることはありません。その思いから担当弁護士にも「記載は消えていない」証拠となる写真の提供もしました。
建材企業は自らが製造した建材のその後を知ろうとしない姿勢です。事実と違うことには私たちが立証しなければと思っています。
【建築ニュース1251号(2024年8月15日・9月1日付)】