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2024年12月6日
11月15日、京都地方裁判所で関西建設アスベスト京都3陣訴訟の第14回期日が行われ京建労や京都総評などから支援者101人が駆けつけ、裁判傍聴や宣伝行動を行いました。
今回の期日では専門家証人として左京支部の竹田さん(解体工)が証言に立ちました。竹田さんは40年近い解体工としての経験から、最高裁が解体工への企業責任を否定する理由として判示した「建材表示が経年劣化や加工などで失われる」という論拠に対して、「経年劣化によって表示が失われることは一般的な建築物においてはごくまれである」と証言をしました。
証人尋問ではまず原告側の谷弁護士から竹田さんに質問を行いました。
解体作業時のアスベスト含有事前調査について問われた竹田さんは「木造建築の場合、設計図が失われていることも多く、アスベスト含有建材の有無は書面で確認することは難しい。作業を始めてから含有建材を発見することもある」と話し、解体作業による曝露防止対策の難しさを語りました。
また谷弁護士は京建労でとりくんだ「建材アンケート」や、竹田さんが実際に木造アパートの解体作業を行っている動画を示しながら、「ボードやサイディング、ケイカル板、スレートや屋根材などにおいて、剝がしたりした際に製造元や商品名の印字やラベルが確認できるということか」と尋ねた質問では、「表示があればきちんと確認できる。私の経験してきた現場でもアンケートで示されたように、50年経った建材でもはっきりと表示が残っているものもある。経年劣化で表示が見えなくなるということはない。一つひとつ丁寧に分別しながら解体するので、他の建材と一体となって見えなくなることもない」とはっきりと答えました。
最後に竹田さんは「施工時に同じ材料を使っているのに、解体工が救済されないのはおかしい」と訴え、原告側の質問を終えました。なお被告側からはニチアス㈱と太平洋セメント㈱が質問を行いました。
続いて福山弁護士と大河原弁護士から外装材加工に従事する屋外作業に関するプレゼンも行われました。
なお期日終了後は上京区の鴨沂会館に場所を移し、裁判報告集会が行われ、支援者や原告が竹田さんの労をねぎらいました。
【山科・神永さん(板金工)】
期日には初めて参加しました。私も屋外作業をする職種ですし、サンダーで加工する際に生じる粉じんを吸入します。
屋外だからといって目の前で発生した粉じんが、風に乗ってどこかに飛んで行くなんてことはありえません。
「屋内外」という理由で被害者の線引きをすることは言語道断です。
【左京・図子さん(手伝い)】
証言に立った竹田さんとは中学校以来の同級生です。はっきりと建設現場の実態を語る姿がとても頼もしく感じました。証言内容に心の中で何度も「その通りだ」と叫びました。
私も左官や屋根工の作業を行っていたこともあり、屋外作業員への救済に全力でとりくみたいです。
【建築ニュース1258号(2024年12月15日付)】