2021年3月16日
3月8日、京都地方裁判所で関西建設アスベスト京都2陣訴訟の第20回期日が行われました。
第20回期日の尋問に立ったのは元宇治支部の故・肥夏さん(左官・享年70歳)の遺族である木村桂子さんです。質問は毛利弁護士が担当しました。
尋問の前に弁護団事務局長の福山弁護士から1陣訴訟の最高裁判断を踏まえ、結論を先送りにしていくことへの懸念が語られ、被告は速やかに謝罪と賠償をするべきだと求めました。
木村さんは尋問で「仕事から帰ってきたときの父は、頭からセメントをかぶったように真っ白で、玄関から浴室まで粉が落ちていたのをよく覚えています」と普段の肥夏さんのようすを話しました。
質問が肺がんの闘病生活に移ると木村さんは震える声で、弱っていく肥夏さんのようすを語りました。「父は亡くなる数ヵ月から毎日体重をはかっていました。身体的な衰えに恐怖していたと思います。いつも家族のことを心配してくれていました。内心は怖かったんだと思います」と裁判官に話しました。
尋問の最後に木村さんは「私は父を尊敬しています。孫たちの成長を見届けることなく亡くなりました。なぜ被告はこんなに裁判を長引かせるのか。私たちの辛い思いは募るばかりです。解決を急いでほしい」と訴えました。
期日終了後は新島会館で報告集会が行われ、参加者全員で木村さんの労をねぎらいました。
【建築ニュース1179号(2021年4月1日付)】