

2025年6月3日
関西建設アスベスト京都3陣訴訟の第17回期日が5月16日に京都地裁で行われ、支援者ら94人が駆けつけました。
今回の期日では被告企業6社(㈱バルカー、東レACE㈱、太平洋セメント㈱、神島化学工業㈱、大建工業㈱、積水化学工業㈱)から建材製品の現場到達についてのプレゼンと、原告側から反論プレゼンが行われました。
東レACE㈱が取り扱う窯業系サイディングについて、同社は「切断作業は基本的に屋外で行われていた」と主張。これに対し原告側弁護団は「京都の都市部のような開放空間が確保できない現場も多く、サイディングの切断が建物内で行われることは多分にあった。建物内でなくても養生シートの内部で行うことが多く、その意味でも開放空間で切断作業が行われることはない」と現場の実態を主張し、反論しました。
また現場到達事実に関して同社は「シェアに基づいた確率論である以上、石綿含有の有無にかかわらず競合する建材など全体を通して計算すべき」と主張したのに対して、原告側から「問題はアスベスト含有建材の加工によって粉じんばく露したことなのであって、アスベストが含有されていない建材を含めた計算は無意味」と同社の主張を真っ向から否定しました。
その後、他の企業とも同様のやりとりが行われ期日は終了。場所を移して行われた報告集会では、3陣以外の京都訴訟の現状報告と、次回期日などの案内が行われ、原告からもさらなる支援が訴えられました。
【建築ニュース1268号(2025年6月15日付)】