

2024年7月16日
関西建設アスベスト京都2陣訴訟の控訴審第1回期日が、7月4日に大阪高等裁判所で開かれました。当日は、弁論期日前に高裁前での宣伝や入廷行動にもとりくみました。
2021年の最高裁判決(京都1陣訴訟)を受けて、同2陣訴訟はすでに原告全員が国との和解が終了。一方、争い続ける姿勢を示す建材メーカーに対しては、2023年3月の京都地裁判決で勝訴を勝ちとっています。この判決に対し、被告アスベスト建材メーカーが不当にも控訴したため、大阪高裁にたたかいの場を移しています。
全国で20回を超える断罪判決を司法から突き付けられているにもかかわらず、依然、早期全面救済に背を向ける建材メーカーに対して、「アスベスト建材メーカーは和解と基金参加に応じろ」と大阪高裁前で宣伝しました。
2陣での第1回期日となる大阪高裁での弁論では、原告の北村さんと中村さんの2人が意見陳述を行い、北村さんは石綿肺で苦しんだ亡き夫が書き残したメモを紹介して、被害者の無念を裁判所で代弁しました。あわせて解体工・屋外作業員への救済が認められていないことにふれて「石綿粉じんを吸って重篤な病気になった全ての被害者が救済されるべきです」と訴えました。
亡き父と一緒に解体・はつり現場で働いてきた中村さんは自身の解体作業での経験も踏まえ、「建物は必ず解体されるものです。解体工が石綿粉じんを浴びることは誰もが予想できます。解体工には警告義務を負わないのでしょうか。警告が無理だというなら石綿建材など売ってはならなかった」と、力強く主張して全てのアスベスト被害者の救済を求めました。
大阪高裁前で平山幸雄委員長は、「裁判が始まった時から、全ての被害者救済という目標を掲げています。国は救済制度を設け和解していますが、企業は争いを続けています。京建労は原告に寄り添い最後の最後までたたかい抜きます」と決意を語りました。
【建築ニュース1250号(2024年8月1日付)】