3月11日に発生した東日本大震災。発生から2ヵ月を過ぎました。しかしながら未だ復興の兆しが見えない現地。16年前の阪神・淡路大震災を教訓につくられた兵庫県震災復興研究センター事務局長・出口俊一さんに、気になる義援金の流れ、災害被災後の行政の対応例や今後の復興などについて聞きました。
被災者に届かない義援金?/ 直接・即時配分が最善
復興を考える時、被災地域の経済が回るようになることが何よりも必要なことです。そのためには、被災地へ早急に義援金を届けることが重要になります。
できることなら、直接つながりのある所へ、義援金を届けるのが最善です。
現地に特につながりのない場合の多くは、募金は日本赤十字社に集められています。
4月8日に設置された「義援金配分割合決定委員会(日本赤十字社などで構成)」で第一次配分(約500億円)が確定しました。
死者・行方不明者、住宅の全壊・全焼、福島第一原発の避難指示・屋内退避区域(30km圏内)...35万円。
住宅の半壊・半焼...18万円。
ですが、5月7日時点(Web上出口氏発文より)でも、県本部に義援金が届きながら、被災者には届いていません。第一次配分は見舞金として早く被災者へ届けるべきです。
知り合いへのお見舞いに重篤かどうかで金額を変えますか? 重軽傷は関係ないでしょう。義援金は一律で即配分すべきです。
動き出す町へ 声あげ / 復興支援は多彩な選択肢で
雇用保険の被保険者は特例措置があります。
しかし、小規模事業者らにとっては、災害救助法などで、生業資金への援助が実施されるか否かが、今後の復興を左右します。
町が適用に動き出すためには、被災地以外にいる人が声を上げ訴えることが必要です。
兵庫県震災復興研究センターでは、全国の自治体にメールとFAXで一斉に訴えや情報の発信をしています。
被災自治体への支援強化、災害救助法の正当な運用と徹底、義援金の配分につき発信したところ、自治体側から法の運用について問い合わせが来ました。
行政が建設する仮設住宅の経費は一般的には建設に300万円、使用後解体に100万円かかります。
2000年の鳥取県西部地震に際し、当時の片山善博知事(現・総務大臣)が被災者個人の住宅再建に、全国で初めて一律300万円の復旧助成を実施。能登半島の震災では、石川県が「県産出の木材利用で補助を」と打ち出したことも画期的です。
再建への支援に、バリエーションを認めることで、経費も低くなります。
消費税増税は復興の妨げ
2010年度の所得税を全額還付されるのも、被災者救済の一助です。
税制を言うなら被災地の支援・復興にと、消費税増税はもっての外です。
報道される計画案は、さも救援のためと言わんばかりです。
しかし、被災者が家を再建する場合も消費税はかかり、義援金の配分相当がその増税分だけで消えていく可能性も出てきます。何らかの増税を考えるとしても、被災地に課税されないように配慮すべきでしょう。
関西からの後方支援も大切
苦痛や、恐怖を時間とともに忘れることは大切で、人間の常です。多少、風化しても、いかに支援の気持ちを長期的に持ち続けるかが今後の問題です。
市民団体、労働組合ならではの、人のつながりはとても大事です。京建労は全建総連に加盟し、現地の組合ともつながりがあります。直接支援をするか、あるいは全建総連が音頭を取る支援体制の中で、活動をすすめることが効果的でしょう。
関西はいわば平生の状態です。関西から今回の被災地復興の後方支援や、今後の防災対策を居住の自治体や、京都府の知事に訴えかけていくことが大切です。
