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「京都水族館」反対7割/梅小路を舞台に「大規模開発か?」の推測も浮上

2009年4月30日(木)
カテゴリ:
930-5-3.jpg 中島 晃さん
(まちづくり市民会議事務局代表)
主な略歴:1943年生・弁護士(1969年弁護士会登録)・2004年京都大学大学院地球環境学舎編入学・2007年同大学院修了、地球環境学博士

 「京都に水族館?」京都市の梅小路公園敷地内に建設計画のある水族館をめぐり市民から疑問の声が高まっています。多くの市民が違和感を覚えた同計画とはいったいどのようなものなのか。「まちづくり市民会議」の中島晃事務局代表に聞きました。(文責:本誌編集部)

不透明許さず市民的な議論

 オリックス不動産が京都市に打診した、京都水族館建設の、具体化に向けた京都市の計画では、昨年9月に「京都水族館整備構想検討委員会」を発足させて、11月末には答申を出すというスケジュールも決まっていました。これで粛々と進む予定だったのです。

930-5-4.jpg芝生ひろばの北側。サッカーを楽しむ子どもたちの奥が水族館建設予定地。

 ところが京都市が誤算だったのが、パブリックコメント(市民からの意見募集)を行ったところ「何で京都に水族館なのか」という意見が多く、京都新聞でも「市民、疑問の声多く」と報じざるを得ないような結果になったのです。市民から寄せられた声の結果は、反対・どちらかと言えば反対の両方を合わせると約7割に達する結果に、検討委員会のトーンも落ちました。

 結果12月24日、委員会は予定より約1ヵ月ずれ込んだものの、条件付きで整備構想を認める答申を出して、市長は「答申を最大限に尊重したい」として、今年1月27日発表の「未来まちづくりプラン」で京都水族館整備構想の推進を盛り込みました。

 ちょうど「かんぽの宿」の問題もあり、オリックスへの疑問の声が湧き上がっていた時期でしたが、市は、市民の反対意見がこれほど出るとは思っていなかったでしょう。

930-5-5.jpg公園を管理する事務所に現在も掲げられているスローガン

 しかし、私も「水族館にそんなに大きな利権があるのかな」という疑問も持っていたのですが、2月末に同じ梅小路公園に「鉄道博物館構想」(運営・JR西日本)も急浮上してきまして、ほかにも、公園の北側に位置する中央卸売市場の空洞化の問題と「京都食文化プラザ」計画なども聞こえてくるようになっています。

 つまり、水族館だけではない、梅小路周辺を舞台にした大規模再開発ではないかという推測も出て、さらに大問題になっています。

 市民の財産である公園で、企業の収益活動のために京都市が利益提供するようなことが、不透明な形で行われることを許さずに、市民的な議論を巻き起こす運動をすすめていきます。

疑問考察キーワード/規制改革で可能になった計画

【オリックス不動産】 オリックスの子会社。提案者であり京都水族館の建設・運営を行う予定。オリックスの総帥、宮内義彦氏は、小泉政権下での「規制改革・民間開放推進会議」議長など、規制改革関連の審議会の長を10年以上歴任。規制緩和で公園内施設に関して、公園管理者以外にも公園施設の設置・管理を認めさせたことで可能となった計画と言える。最近では、異常な安値での一括売却契約が問題になった日本郵政会社の「かんぽの宿」をめぐって物議をよんだ。

930-5-map.gif上図:建設予定地見取り図(市民しんぶんより抜粋)

【京都未来まちづくりプラン】 「京都水族館(仮称)整備構想の推進」が盛り込まれ、「民間活力を活かした整備」をうたっている。同プランの発表で広く知られるものとなった水族館建設計画は市民・市議会に報告されることもないまま、2005年12月から京都市とオリックスが協議をすすめていた。2008年に行われた京都市長選挙にあたっての、門川大作現市長の「マニフェスト」では、「体験型の大型集客観光施設を誘致して、京都の新しい観光名所にします」との表明があり、順を追って振り返れば、当時はオリックスとの水族館建設構想を念頭に置いたものであることは、市民には隠されていたことになる。

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