ナビゲーションをスキップ
月別

曖昧な働き方は禁止/改正された韓国の「建設産業基本法」

2009年3月 3日(火)
カテゴリ:
 2007年3月に、日本と産業構造が近いと言われる韓国では、「建設産業基本法」が、改正されています。

重層下請の禁止は厳格に/改正内容に3つの驚き

表木五郎さん

【建設政策研究所関西支所・表木五郎研究員】 この改正で驚いた1つ目は、日本でいえば末端の事業主や一人親方、職人 が、事業主と労働者に振り分けられ、事業主になった場合、雇用する労働者に四大保険(健康・年金・雇用・労災)を適用し、労働者なら適用される(直接雇 用)ことが義務付けられ、選択を迫られたことです。

 2つ目は、建設工事の下請は基本的に一次まで(重層下請禁止)で、元請と一次下請(専門工事業者)が雇用している労働者で施工すること(直接施工)を義務付けられたこと。

 3つ目は、重層下請禁止の厳格化と直接施工、直接雇用が国民と建設企業、建設従事者に良い結果をもたらすとともに、建設業の発展につながることを、法律が明らかにしていることです。

直接雇用・直接施工への転換/展望持てる産業になりえる

韓国の建設現場で働く労働者(写真提供:建設政策研究所)

 韓国の建設業のしくみは日本が100年前に持ち込んだといわれ、日本とよく似ています。

 日本の建設業の根幹的な問題として「雇用」と「曖昧な働き方」があります。

 職人にとって社会保険が適用されないことや一方的な補償のない解雇など、他産業の労働者では当たり前のことが建設業では適用されず、問題にもなりません。

 日本の建設労働者・職人は、手間請や一人親方など請負的な就労の仕方によって、労働者として保護されるべき法律の適用がなされていないのが現状です。

 このようなしくみは「雇いやすく」「辞めさせやすい」労働力として温存され、職人自身も受け入れてきました。そのことで不安定な就労と生活を強いられるとともに、要求実現の闘いに対して消極的にならざる得ない要因になっています。

 日本の建設業界は韓国に学び「重層下請構造の解消」を図ることを基本に、産業構造を転換し、「直接雇用・直接施工」にすることにより行き詰った現状を打開し、展望の持てる産業になりえると思います。

Clip to Evernote  Check