連日「アスベスト被害」の報道がマスコミを賑わしています。今回の報道の発端は大手機械メーカー「クボタ」が、アスベストが原因とされる中皮腫(ちゅうひしゅ)(がんの1種)や肺ガンの発症状況を公表したことに始まりました。
しかしこれは決して新しい問題ではなく、20年も前からアスベストによる健康への被害が指摘され、国際的にも問題となり、各国が相次いでアスベスト類の全面的製造・使用中止を打ち出していたにもかかわらず、日本ではこの問題が軽視されてきました。
そして現在、これまで公表されることなく闇に葬られてきたアスベストの製造・使用に関わる現場労働者らの健康被害。その深刻な被害が次つぎと明らかになり、予防対策を遅らせた企業、行政の責任が問われています。
京建労では1985年4月にアスベストに対する運動推進チームを発足。富山医薬大学の北川正信教授や名古屋大学医学部の久永直見先生ら有識者の助言を精力的に求め「最大の対策はアスベストをなくすことだ」との指摘を受けました。
1985年7月には組合員の働いている現場で、全国ではじめて汚染実態調査を展開。1987年には全組合員を対象にアスベスト問診アンケートを実施。
問診結果は建築ニュースで仲間に返し、1988年2月からアスベスト検診をスタート。ここでは京建労と医療機関が一体となった、わが国はじまって以来のアスベスト障害追放と建築労働者の命を守るたたかいが展開されました。
同時に、住宅デーや地域の健康まつりなどでアスベストを展示したり、「アスベストビラ」を50万枚配るなど、アスベストの恐ろしさを広く住民に知らせる活動も展開しました。
先駆的な経験活かし全組合員問診実施へ
このように京建労の投じた一石が全国にも飛び火。全建総連はアスベスト対策でははじめて労働省交渉を実施。1986年に日本ではじめて開催された 「日本石綿シンポジウム」には京建労にも呼びかけがあり、代表を派遣。石綿含有建材と身近に接している建築職人の実態と危険性、組合のとりくみを報告しま した。
こうした経験の蓄積をもとに今後、京建労では①全組合員への「石綿問診調査」の実施。②問診結果に基づくアスベスト検診の実施。③石綿障害予防規則に基づく特別教育の実施。④アスベストパンフの作成...を検討していきます。
