アスベスト対策 Q & A
アスベスト対策 Q & A
連日、新聞などでアスベスト(石綿)による健康障害が報道されています。京建労は85年から対策推進チームを結成し、アスベスト含有建材に"a"マークを表示させるなど全国に先駆けて石綿対策にとりくんできました。 また組合員に対する問診調査活動や集団検診などを通じ、多くの労災職業病認定を勝ち取ってきました。アスベスト(石綿)の基礎知識や、対策など、建設職人の疑問にQ & A形式でお答えします。正しい知識を身につけて、しっかりとアスベスト対策してください。
国の対応が遅れて被害が拡大
- そもそも「アスベスト=石綿」とは?
石綿(いしわた・せきめん)というくらい柔らかい繊維ですが、鉱物繊維なので火にくべても燃えません。アスベストというのはギリシャ語で「消すことができない」「永遠不滅の」という意味です。
- アスベスト使用禁止の国際的な動きは?
欧州では早くも1980年にノルウェー、デンマークが使用禁止したのをはじめ次々と禁止国が増え、ついに1999年にEUヨーロッパでの全面禁止に踏み切りました。
石綿業界・連合系労組もアスベスト規制に反対
- 国はなぜ、もっと早く対策に乗り出さなかったのでしょうか?
アスベストの原則使用禁止を求めた「規制法案」を1992年に旧社会党が議員立法で国会に提出しましたが、提出前に業界団体である日本石綿協会が圧力をかけ、自民党などの反対で審議されないまま廃案になっていたことが明らかになっています。
1985年から問題点を告発、全国ではじめて実態調査を行なった京建労
- 京建労のアスベスト対策はいつ頃から?
1985年から本格的に進められた京建労のアスベスト対策活動が全国的な反響を呼びました。組合機関紙「建築ニュース」では、1984年10月号から石綿対策の連載を始め、85年4月「アスベスト対策推進チーム」を発足。86年5月の第34回定期大会では「アスベスト全廃決議」を採択し、NHKでも放映されました。
- アスベストは全面禁止になったと聞いたのですが?
2006年9月にようやく、石綿の製造・使用は全面禁止になりました(代替が困難な一部例外的なものを除く)。
健康障害と労災認定、石綿救済法
- これまで石綿を使ってきたと思うが、どうしたらよいのか?
厚生労働省は石綿関連業種をリストアップし、これらの業務に従事した人は健康診断の受診を呼びかけています。その際「過去に石綿に係る作業を行なった旨」を医師に伝えることが大事です。
- 検診機関はどこにありますか?
石綿検診はじん肺検診のできる医療機関なら基本的には可能です。
- 今後の予防策は?
よく「もう吸ってしまったんやから、しょうがない」とあきらめる人がいますが、これ以上アスベストを吸わないようにすること、定期的なじん肺検診・石綿検診の受診などが重要です。
- 労災認定される病名と認定の基準は?
現在、国が労災認定疾病として認めているのは、「石綿肺」「(原発性)肺ガン」「中皮腫」「良性石綿胸水」「びまん性胸膜肥厚」の5疾病で、それぞれの疾病ごとに認定要件が定められ、その要件を満たす場合においてのみ労災補償が受けられます。
- どのような業種の人が労災認定されるのでしょうか?
建設関係に限って言えば、前ページの「4. 石綿の吹付け作業」「5. 石綿製品を用いて行なう断熱、保温などの作業」「6. 石綿製品の切断等の加工作業」「7. 石綿製品が用いられている建物等の補修・解体作業」などが多いと思います。
- 一人親方や中小事業主でも労災認定されますか?
原則、特別加入労災への加入期間が10年以上必要ですが、特別加入期間が無くても、過去に「労働者」として石綿作業に従事した期間が10年以上あれば、認定される可能性があります。
- 石綿救済法とは?
「石綿による健康被害の救済に関する法律」(2006年3月27日施行)のことで、以下の2つの制度から成り立っています。
解体・改修工事、処理の留意点
- アスベストを除去する際の留意点は?
木造家屋など、耐火・準耐火建築物以外の解体では、解体計画・作業の届出、隔離等の措置は免除されていますが、それ以外では下図のような規制があります。
- 建材に石綿が入っているかどうかの判断はどうするのか?
設計図や施工図にもとづく調査、「石綿含有建材リスト」などを活用し、それでも解らない時は分析調査が必要になります。分析機関一覧を下記に示します。
- アスベスト建材などの除去、解体に資格は必要ですか?
アスベスト除去作業に従事する作業員はすべて(吹付け石綿のみならず、スレートなど成形板の解体・撤去についても)、「石綿作業従事者特別教育」を受けることが義務付けられています。
- 除去以外にもアスベストの処理方法はありますか?
専用薬剤をアスベストに含浸させて硬化・固着させる「封じ込め処理」、天井や壁などの上を囲って密閉する「囲い込み処理」があります。
- 除去したアスベストはどのように処理すればよいのですか?
廃アスベストは廃棄物処理法で定義される「特別管理産業廃棄物」の「飛散性石綿含有廃棄物」に相当します。これは「管理型最終処分場」でしか処分できません。