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労働者賃金はほとんど上昇無し/公契約条例に「賃金下限条項」を

2022年4月8日

 4月10日に投開票で行われる京都府知事選挙。京建労が推薦するかじかわ憲候補の公約に、中小企業支援策と時給1500円以上にするとあります。自治体が民間業者と結ぶ契約を「公契約」といい、それに必要な規制をかけるものが「公契約条例」といいます。
かじかわさんはこの「公契約条例」の発注時に支払われる労働者の賃金に関して、下限額(定めた金額以下では働かせてはならないという規則)を設けて、公共が発注する現場では時給換算で1500円以下で就労させないようにする条例づくりをめざしています。(なお建設事業では下限を設計労務単価の9割・日給2万1860円を想定)
この「賃金下限条項付きの公契約条例」は選挙戦を通じて府民の中で大きな話題となっています。とりわけ公共事業の4割を占める建設事業では、この規定付き条例ができれば建設従事者のくらしが大きく変化することになります。
私たちのくらしぶりに目を向けると、公共工事の見積りを行うときに使用する、各職種ごとの1日あたり参考賃金「設計労務単価」は10年連続で引き上げられているにもかかわらず、京建労がとりくむ賃金アンケートではほぼ横ばいとなっています。設計労務単価はこの10年で142%増。実質の賃金は一人親方で113%、労働者に至っては103%となっています。
公共工事は設計労務単価を基準にした金額が支払われています。しかし現場で働く私たちのところには、このような賃金は支払われていません。

今なお「労働者外注化」/調査と要請活動が重要

この間の設計労務単価引き上げは、担い手不足にあえぐ建設業界を変えるべくして打たれた国からの一手であり、設定の額面通り従事者に届いてこそ、意味を持つ施策です。
京建労としても上記のような賃金アンケートに加え、公共工事現場での実態調査活動をすすめてきました。その中には社会保険負担に耐えかねて労働者の一人親方化(外注化)をする事業所や、現場に近い事業所ほど儲けが少なくなる「ピンハネ構造」も依然として存在することを明らかにしてきました。
2月に行った京都府との交渉の場でも「賃金下限規定付きの公契約条例」を求めましたが、担当者は「最低賃金法とのダブルスタンダードは認められない」と導入には後ろ向きの回答でした。
引き続き私たちの要求として「大幅賃上げ」を求めていくうえで、自治体の姿勢と役割は非常に大きく、自治体選挙闘争とともに調査と要請活動が必須の課題といえます。(文責編集部)

【建築ニュース1201号(2022年4月15日付)】

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