第47回住宅デー 6月9日(日)
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全建総連が関係省庁に緊急要請/ウッドショックの仲間の声届け

2021年5月7日

 輸入木材の供給不足が全国的な問題として深刻化していることを受けて、京建労の上部組織である全建総連が全国の仲間からの報告を集めて、林野庁と国交省に対して緊急要請行動を行いました。
林野庁への要請では菅原中央執行委員が「羽柄材にまで影響が出ており、代替品も無くなりつつある。このままでは材料が無くて仕事ができなくなる」と現場の緊迫したようすを訴えるなど、仲間の深刻な窮状を伝えて直面する緊急的な対策を省庁をまたいだ対策チームを設置して対応することを求め、長期的には国産材の安定供給への政策的シフトに賛同の意を示しました。
林野庁に対し小倉書記次長は「元請・下請、雇用にも影響する大問題。エンドユーザーへの影響も危惧する」として緊急対策を強く求めました。
国交省への要請行動では高橋住宅対策部長が「上棟が延期になり顧客とのトラブルも心配。造作材全般が不足・値上がりになると工事を始められない。工事が止まれば下請の職人の仕事が止まる。着工戸数も大きく減る住宅産業全体の大問題で住宅局の課題」として緊急対策を求めました。
京建労も仲間の声を集めて、全国の仲間と現場の声を関係省庁に伝える活動にとりくんでいます。具体的な情報を組合にお寄せください。
また、全建総連では木材不足に起因するトラブル回避のための「ウッドショックにあたり交わしておきたい合意書の書式」(秋野卓生弁護士)の紹介(インターネットでも公開)も行うなどしています。

いまもう杉が取り合い

【本部・野田副委員長】

先日、プレカットの打ち合わせでお世話になっている、材木店で聞き取った内容をお伝えします。
材木店では2021年度の輸入木材量は、よくて昨年の半分程度になるであろうと予測していることもあり、「樹種指定には対応できない。加工時点での在庫により対応させてほしい」とのことでした。
このような状況であるために、「新規の対応については、申し訳ないがお断りをしている」と言います。このため、プレカット難民が発生し始めています。
プレカットの見積もりについても、価格が安定していない状況なので、「あくまで現時点での見積もり」になると話しています。
いまもう杉が取り合いになっています。すでに材木を確保するのに躍起になっている状況となっています。
以前から、国も「国産材を使いましょう」と言っていたし、京都府も「府内産材を利用しましょう」と言っていながら、森林整備もできていない。国内で材木を供給できるかたちを作り上げておかなければ、いつどうなるのか分からないということだと思います。このような状況になってからすぐにできるものではなく、政策的に転換しないと、その場しのぎで言うだけで終わっていることが、後に大きな問題になる。そんなことばかりがおこっているように思います。

【建築ニュース1182号(2021年5月15日付)】

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