いらかの波 No.1225
2023年5月16日
1羽のハトが、コクリコクリと首を縦に振り、おしりも振って歩いておるな。岸田首相のようすがワタシにはそのように見える▼平和主義はどこへやらのハト派「宏池会」の会長であろうと、約束済みの兵器爆買いに「待った」を言う気も、言える立場もない。米国大統領に肩を抱かれてニコニコする日本国首相が印象的▼就任後の所信表明で語った「世界の平和と繁栄の礎である日米同盟を更なる高みへ」は、専守防衛をかなぐり捨てて米国の戦争に参戦できる準備のことだった▼1月の施政方針演説では「明治維新」「終戦」に次ぐ歴史の転換点だと「今」を語った岸田首相。次の歴史的変化が戦前回帰とは笑止▼「風の時代」と、流行語のように見聞きする。こちらも時代の転換期を指したもので、占星術に起因するものらしく「自由・平等」などが特徴とされる。それが広く日本人に歓迎されて流行したことは、非科学的だと片付けられない、国民意識の表れだろう▼安倍晋三銃撃事件がおき、旧統一協会問題が白日の下に。家父長制的な思想は忌み嫌われると思いきや、先の統一地方選挙では日本維新の会が大躍進。ワタシは豆鉄砲を食らった。一票に託された願いが「束縛と差別」な筈はないというのに。（巧）
【建築ニュース1225号（2023年6月1日付）】
