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いらかの波 No.1138

2019年2月20日

私は現在、大工仕事をしていますが、前職は調理師を約10年間していました。高校卒業後に板場の世界へ飛び込み、全国津々浦々、料理旅館や割烹料亭などの仕事に励みながら腕を磨きました▼何年か経過し、仕事ができるようになってきたのですが、地域によって味付けや煮付けの違いがあることに気づきました。次第にその違いは私の中で葛藤に変わり、自分が提供する料理はお客さんが望むものとして叶っているか、味を押し付けていないかと悩む日々でした。「この味が私の料理だ」と押し通しても受け手の味覚は千差万別。何かを提供する立場として、受ける側の視点も重要だと学びました▼大工として仕事をする中で、お客さんが何を求めているのか推し量るのは難しいことですが、避けては通れない道だと思っています。建て込みの図面を見ても、パーツを収めるだけで本当にいいのかどうか。その先に図面では見えないもっと重要なものが隠れているのではないのか。と大工仕事でも自問自答をする日々を送っています▼私たちはお客さんに品物を納める仕事です。いろいろな局面でお客さんといい会話をしながら、お互いが満足のいく仕事をこれからもやっていけたらと感じています。(絆)

【建築ニュース1138号(2019年3月1日付)】

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