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関西地協 企業交渉全日程が終了/中心議題は「CCUS」「賃上げ」

2019年8月6日

全建総連関西地方協議会(関西地協)は7月25日にエル・おおさかにて、「2019年度大手企業交渉」についての総括会議を開催しました。総括会議に先立って「賃金学習会」が行われ、建設政策研究所研究員の松浦洋一郎さんを招き、「直近の住宅企業の動向と企業交渉での追及点・ポイント」について学びました。

開始冒頭あいさつに立った吉岡徹議長(京建労執行委員長)は「CCUSの開始と、働き方改革関連法案の順次施行。業界をとりまく大きなうねりは現場も元請も同じです。今回の企業交渉ではその点も大きな議題となりました」と話しました。
午前には「賃金学習会」を開催。午後からは4月から行われていた在阪大手ゼネコンと住宅販売メーカーとの交渉について報告が各交渉団から行われました。
酒井仁巳事務局長(京建労書記長)からは、全体を通した特徴的な点が「まとめ」として報告されました。
「まとめ」では要請項目に対して各社の反応が紹介されました。賃金に関しては「最低額の作業員については日建連の定める平均年収には至っていない(大成建設)」「生活に必要な賃金については施工効率を上げて努力したい(長谷工)」などが挙げられました。
CCUSに関しては「2023年3月までには事業者・技能者とも原則100%登録をめざす(大林組)」「2021年4月には全事業所での本格導入を予定。グリーンサイトとも連携(大和ハウス工業)」など特徴的な回答が報告されました。

好調、利益膨らむ住販メーカー/下請へ責任押し付け利益拡大/賃金学習会

【建設政策研究所研究員・松浦洋一郎さん】

住宅業界の情勢として、まずは住販メーカーの受注実績を紹介します。大和ハウス工業は2019年3月期の受注実績は4兆2441円と前年比8・9%増と好調を維持しています。積水ハウスは2兆1775億円、住友林業も1兆3088億円と各社好調の中でも、大和ハウス工業の一人勝ちとなっています。大和ハウス工業は住宅だけではなく、施設の建設なども好調なのが前進の背景です。
また住販メーカーの中には企業の系列化をすすめている会社もあります。パナソニックはパナホームを100%連結子会社にし、株式の上場を取りやめました。ミサワホームはトヨタホームとともにトヨタグループの系列となっています。
また好調を背景に住友林業は熊谷組の株式保有をすすめ、住宅だけではなく建設や土木の垣根を越えた大きな企業集団の形成を狙っています。これらの系列化で部品の共有化やコストダウンをはかり、人手不足の波を越え、企業間の競争に勝ち抜く構えが見えます。
そして住販メーカー企業内で問題点の一つとなっているのが「働き方改革への対応」です。今回の働き方改革関連法に対応するため、従業員の増員や変動労働時間制の導入などを社内で行っており、十分なコストをかけて対応しています。この結果何がおこるかというと、社員の長時間労働を回避するために、下請への丸投げ体制となり、多くのダメ工事などは下請の責任として押し付けが行われることが予想されます。重層下請構造の中での、上層の優位性を生かした利益創出システムをつくるわけです。
今後の私たちが企業と交渉をしていく重要点もそこにあり、下請企業の労基法遵守のためには長時間労働の抑制や、休日の確保、残業代の確保などが必要です。その原資を得るために「発注の適正化」が行われる必要があり、この死活問題を企業にも求めていくことが重要なのです。

2019年度に関西地協と交渉を行った企業

▼4月19日、大成建設㈱関西支店。▼4月22日、㈱鴻池組大阪本店。▼5月22日、清水建設㈱関西支店。▼5月23日、住友林業㈱住宅事業本部。▼5月24日、積水ハウス㈱。▼6月4日、㈱大林組大阪本店。▼6月6日、大和ハウス工業㈱。▼6月19日、㈱奥村組西日本本社。▼7月12日、㈱長谷工コーポレーション。●6月22日、国土交通省近畿地方整備局。

【建築ニュース1149号(2019年8月15日・9月1日合併号)】

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